6月の酒類支出は1.8%減、ビールが2カ月連続減の3.1%減-家計調査
総務省統計局がまとめた家計調査によれば、6月の1世帯当たり(2人以上の世帯・農林漁家世帯含む)酒類消費支出額は1.8%減で、3カ月連続のマイナスとなった。5月に続きビールの3.1%減が大きく、発泡酒・ビール風1.8%減とビール類が厳しい数字。増加したのはワイン、チューハイのほか、清酒もここにきて2カ月連続のプラスになっている。
6月のビール大手は0.4%減で、その見方は「もっとマイナス幅を大きく見ていた」「昨年、一部で決算対策の政策的な出荷があったが、今回はそれがない。そのうえでほぼ横ばいだから、そんなに悪い数字ではない」というもので、これをどうみるか。家計調査でも、ビールは単価(3.5%安)が落ちているが、数量(0.6%増)は出ており、前年6月と真逆の動きになっている。発泡酒も同様の動きだ。
清酒のプラスを分析すると、単価(26.5%減)、数量(44.4%増)をみれば、「低価格のものが大幅に出た」ということになり、東京が25.0%減となっていることも併せると、地方で普通酒が出たということになるのか。まもなく公表される日本酒造組合中央会の6月の数字を待ちたい。先行して6月の数字をまとめている新潟では普通酒は確かに伸びていたが、全国でどうか、気になるところ。逆にいうと、吟醸、純米のところで安価なものが出ているともいえるようか。これまでの地酒ブームも、飽和となって価格での優越という流れだと寂しいが。
圧倒的なのは、チューハイで単価(6.1%高)、数量(14.4%増)ともに伸ばしている。ワインは単価(2.7%安)は下げているが、数量(9.8%増)が伸びている。
一方、ウイスキーは5カ月連続の減少で、値上げの影響かとも思われるが、家計調査では単価(11.0%安)は下がっており、数量(15.4%減)も減少している。
異なる動きをしているのは、焼酎で単価(9.5%高)が上がっているが、数量(13.1%減)は減少しており、金額(4.8%減)を落としている。単価が上がる要素は長期熟成など高付加価値商品が動いているのかもしれないが、パック系などは大手があればいいやという状態で、ここが停滞しているのが要因かも。家計調査の母数では分析も限界がある。
6月は東西で極端な動き。西が金額を増やしている。外食は東西とも落ちているが、西の飲酒代は上がっている。飲料は好調を維持。