小売6月、SMとCVSのみプラス、降水量多く大型店は客数減

小売業各業態の6月の販売統計(既存店ベース)が出揃った。SM(食品スーパー)3協会とCVS(コンビニエンスストア)のみプラス。GMS(総合スーパー)の構成比が高い日本チェーンストア協会、日本百貨店協会、日本SC(ショッピングセンター)協会がマイナスとなり、広域商圏の大型店が不振だった。6月は気温が高く、SMやCVSは涼味食品を中心に好調だった。一方で北日本と西日本で例年以上の降水量となり、客足が鈍ったことが、大型店などの苦戦につながった。

日本チェーンストア協会(57社、9,410店)の既存店売上高は前年同月比0.5%減となり、4カ月連続のマイナス。SM3協会(オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会)が共同発表している「スーパーマーケット販売統計調査」(回答企業270社)は0.5%増で2カ月ぶりのプラスとなった。両協会とも食品は15カ月連続のプラス。

食品のうち農産品は月後半に相場が高騰したが総じて堅調だった。すいか、メロン、さくらんぼなど旬の果物は好調だった。食品の好調をけん引してきた畜産は、継続する国産牛の高騰を補ってきた国産豚がここにきて高騰している。それを輸入豚で補えていなく、3協会の販売統計では3カ月ぶりのマイナスとなった。水産は入荷不足などでマイナス。ウナギは日本チェーンストア協会が好調、3協会は不調と結果が分かれた。惣菜も日本チェーンストア協会は34カ月ぶりマイナス、3協会はプラスと結果が分かれた。

日本百貨店協会(81社、236店)の既存店売上高は3.5%減で4カ月連続のマイナス。雑貨が15カ月ぶりのマイナスとなり、主要品目すべてがマイナスとなった。地域別でも九州以外はすべてマイナス。食品は菓子と惣菜が3カ月ぶりのプラスだったが、生鮮食品は27カ月連続マイナス、その他食料品が4カ月連続マイナスで、全体では4カ月連続マイナス。

日本フランチャイズチェーン協会がまとめたCVS9社(5万4,157店)の既存店売上高は0.8%増で2カ月ぶりのプラス。降水量が多く、既存店ベースの客数が0.7%減と4カ月連続のマイナスとなった。一方で客単価はコーヒーや中食、冷やし麺やアイスクリームなどか好調で、1.4%増と15カ月連続のプラス。全店ベースの商品別伸長率は日配品0.7%増、加工食品1%、非食品0.0%、サービス3.7%増。