「ジャパニーズウイスキー」定義制定に向け、Jウイスキー協会設立へ

ウイスキー文化研究所代表土屋守氏と同所特別技術顧問早川健氏は今夏より、ジャパニーズウイスキー協会(JSA)設立に向けて動き出す。スケジュールでは来年4月に創設を予定。また、「ジャパニーズウイスキー」の定義も同時に確定させたいという。

土屋氏は立ち上げの理由として、「現研究所の前身であるスコッチ文化研究所を立ち上げた15年前から、“ジャパニーズウイスキー”にはグローバルスタンダードな定義が必要だと考えていた。日本産ウイスキーに世界の注目が集まる中、日本の酒税法で定められたウイスキー規格は世界的基準から大きくかけ離れている。また、世界5大ウイスキーの中で唯一、“ジャパニーズウイスキー”にだけ明確な定義がない」と説明。「国内で発酵させていないものは、ジャパニーズとは呼べない。原産地呼称の規制がないことが問題であり、地理的要因は大前提としてある」と話し、ジャパニーズウイスキーの呼称を国際的に保護すると同時に、正しい定義を発信する必要性を強調した。

スコットランドにはスコッチウイスキー生産者の約95%が加盟するスコッチウイスキー協会(SWA)があり、各社の販売額から産出された会費の総額は年間約9億円程度。同協会がスコッチウイスキーのレギュレーションを定めたことから、日本においても「ジャパニーズウイスキー協会」を立ち上げ、「ジャパニーズウイスキー」の定義制定による価値向上と保護、輸出障壁の撤廃と海外市場向けのPRを図る他、起業家育成支援や、品質向上支援も行う。協会メンバーには生産者や販売者などを募り、年間収入約1000万円を目標とする。

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