9月のビール4社計は1.7%減、「ザ・モルツ」の裏だが新ジャンル好調
本紙が推計した9月のビール4社のビール類販売実績は、前年比98.3%の3,328万c/sとなった。営業日は社により1日多いところもあるが、ほぼ前年並み。メーカー筋では「昨年のサントリーのザ・モルツの裏になり、もっとマイナスになるとみていたが、予想よりは上振れした」との見方が強い。
「ザ・モルツ」は昨年9月8日発売、月間で134万c/sを出荷した。その裏にあたり、ビール市場は95.2%とマイナスだが、それでももっと下に行くと見られていた。その要因としては、①昨年はシルバーウイークが5連休で樽生ビールが落ち込んだが、今年は飛び石だったので、そこまで影響がなかったこと、が挙げられる。樽生ビールは98%と健闘したとみられる。
また、発泡酒・新ジャンルがプラスになったことが大きい。発泡酒は「糖質ゼロ・プリン体ゼロ」商品が一巡して以降、実に15カ月ぶりのプラスとなった。新ジャンルも2カ月連続のプラス。②雨が多かったとはいえ、昨年よりも平均気温は高いことや③「出荷日の膨らむ金曜日が1日多かったことが要因として挙げられそうだ。
旬ごとにみれば、上旬は102.8%、中旬が85.5%、下旬が107.7%。中旬が落ち込んだのは、商品的に、昨年9月15日発売の「夜のどごし」が今年は9月6日であること、同じく15日発売の「麦とホップ 赤」が10月発売であること、同じく15日発売の「スーパードライ エクストラシャープ」が未発売だったことによる。
10月の展望だが、各社とも前年同様に派生型商品は発売されるものの、大型商材はない。むしろ月末に向けてハロウィンなどの〈コト消費〉への販促を強める考えだ。営業日も1日少ないことからマイナスは免れず、現時点で1~12月の着地は、98.5%前後になりそうだ。