風評払しょくは「福島産牛肉を食べ、理解してもらうことが重要」と皆川次官
東日本大震災から3月11日で丸4年が経過する。この震災では、農林水産関係全体で約2兆4,000億円の被害(原子力災害除く)が発生した。畜産、特に牛肉では、放射性セシウムにより一時的に出荷制限がとられ、現在でも福島県産の牛肉は他県産に比べ和牛で㎏当たり200円を超す格差があるなど、依然として風評被害が解消されていない状況だ。
牛肉をはじめ畜産物では、食品の基準値を超える放射性セシウムを含まないよう、暫定許容値以下の飼料の給与など家畜の飼養管理を徹底している。牛肉では、基準値以下のもののみが流通するように全頭検査・全戸検査を行っている。その中で、農水省では、「食べて応援しよう!」のキャッチフレーズの下、生産者、消費者団体、食品事業者など多様な関係者の協力を得て、被災地産食品の販売フェアや社内食堂での積極的な利用の推進を図っている。また農水省・経産省の連名で経済団体に対し、被災地産品の販売促進を依頼する文書を2回にわたり発出している。
農水省の皆川芳嗣事務次官(福島県いわき市出身)は4日、農水省の震災への対応と今後の取組みの公表に合わせて記者懇談会を開き、「何回か現地に足を運んだが、なかなか旧に復するまでは来ていない。被災地で新しいチャレンジを始める方も各所にみられるなど、新しいステップに移りつつあるものの、まだまだのところも多い。農水省も、これで終わりではなく、継続的に残された課題に取り組んでいく。水産の再生が重要であるとともに、農林水産物全体への風評があり、継続的な支援が必要だ。もちろん農水省だけではなく、横の連携を取り政府挙げて取り組み、地域の皆さんと寄り添った対応を行っていく」と、継続的な支援を行っていくことを強調した。