3月の牛肉需給展望 和牛は1月高値から一服感、A3で2,100円か、少しでも安価な牛肉求める傾向から交雑、乳去は強含み
15年2月の東京食肉市場の規格別の価格(消費税8%込み)は、和去A5で前月比38円安の2,435 円、A3で7円安の2,120円、交雑B2は125円高の1,439円、乳去B2は46円高の984円と、1月の異常な高騰から和牛はわずかに下げたが、交雑牛、乳去はさらに上昇した(グラフ参照)。
2月の概算の出荷頭数は和牛で1%減、交雑種・乳牛で10%減となった。店頭では、豚肉同様に、和牛、国産牛の特売はほとんど見られなくなったが、出荷頭数が減少し相場が高騰する中で、品種・等級にかかわらず、少しでも安い国内産の牛肉を求めることで交雑牛、さらには乳去の価格が上昇した。
3月の見通しは、成牛の出荷頭数は農畜産業振興機構の予測によると、1.3%増の9万2,900頭、うち和牛は0.8%増の3万9,100頭と増加が見込まれるが、これはと畜場稼働日数が前年に比べ2日多いことが要因で、減少傾向に変わりはない。
3月に入っても量販店での販売状況は変わらず、特売はほとんど見られず販売の物量は少ない。7~8日のチラシを見ても、黒毛和牛切落し100g本体価格500円、国内産牛サーロインステーキ4割引き(通常価格から・価格は記載なし)が見られる程度。米国産、豪州産の露出も少ない。その中で、大手量販店では産地指定を外すとともに、等級や交雑種、乳去など品種にこだわらず少しでも安価な国内産の牛肉を手当てし、末端価格を抑える傾向がより強まっている。季節的に3月後半は4月~5月に向けて需要が高まり相場も上昇する時期に当たる。ただ、その中で、輸入牛肉を含め、内臓、挽肉、さらにはラムなど他の食肉を含めて売場を見直す動きも出ている。
これらを踏まえると、和牛については1月が天井で一服感があり、2月並みからわずかに下げ、交雑種、乳去は続伸と見られる。その結果、和去A5で2,400円前後、A3で2,100円前後、交雑去勢B2で1,500円前後、乳去B2は980~1,000円と見られる。