3月の鶏肉需給展望

【価格動向など】2015年2月の鶏肉相場(農水省統計部、税抜価格)をみると、モモ肉は前月比20円安の661円、ムネ肉は1円高の331円となった。モモ肉は、上旬666円、中旬660円、下旬655円と徐々に下げた。豚枝肉相場が高騰する中で引き合いは強く、極端な高値(681円)だった1月から20円の下げにとどまった。ムネ肉は、上旬329円、中旬330円、下旬335円と下旬に5円上昇した。加工筋からの引合いで玉不足が続き、12月の327円を上回る高値を付けた。日経平均(税抜)でみると、モモ肉で前月比18円安の651円、ムネ肉は1円高の331円で、合計では15円安の982円となった。

3月の見通しは、生産量を農畜産業振興機構の需給予測で見ると、0.2%増の12万5,700tと、前年をわずかに上回るとしている。1~3月平均では前年並みの12万800tを見込んでいる。しかし、九州地域では佐賀県などの鳥インフルエンザの影響がこれから出てくること、また寒さのために増体が良くなく生産は計画を下回るとの見方もある。ただ、東北地域などでは温度管理の違いもあり寒さの影響は無い。

需要面では、輸入チルドポークは北米西海岸での労使交渉が暫定合意に達し、正常化に向けて動き始めたが、輸入量はまだ少なく、国産豚肉枝相場は依然高水準を維持しており、量販店からの国産・輸入鶏肉への引き合いは強い。モモ、ムネが不足する中で、ササミ、手羽元も引き合い強く、全てのアイテムで物不足。この先の輸入鶏肉も外貨高で絞られると見られるなど、下げ要因は見つからない。また、本来なら3月末の年度末へ在庫を絞りたいところだが、今から年末を見据えて在庫を持ちたいとの動きも見られる状況。さらにムネ肉は来年度の契約では現状の価格で決定したとの話もあり、こちらも現状の高値が継続する見通し。