「牛肉輸出拡大のための活動報告会2015」開催①-中央畜産会
中央畜産会は20日、東京都千代田区のTKP御茶ノ水会議室で「今後の牛肉輸出拡大のための活動報告会2015」を開催した。報告会では、牛肉輸出の成果や課題、今後の取組方向や現地市場調査などの9つの講演のほか、日本畜産物輸出促進協議会の菱沼毅理事長を進行役とした総合討論で輸出拡大へ向けた議論を行った。ジャパンブランド確立検討委員会の櫻井研委員長は「オールジャパンでの牛肉輸出振興の意義」と題して講演を行い、和牛の価値をきちんと伝えなければならないとしたうえで、「“価値を絆にして結ばれたバリューチェーン”という考え方で輸出の拡大を図っていきたい」と語った。
櫻井委員長は、「日本畜産物輸出促進協議会が12月に発足し、活動を開始した。牛肉については80億円を突破し好調に推移しているが、私は目標に対しまだ3合目と考えている」とした上で、「目標の達成には、ルートの開拓が必要だ。また、開いた道を、需要を創出して広げないといけない。ルートの開拓、ルートの拡幅の2点について話したい」と述べた。また、「なぜオールジャパンの取組が必要なのか。産地が個別に行う事業というのは、県産の産物を輸出したいと輸出事業者に依頼し、事業者は売り込みをかける。一方で、オールジャパンの取組としては、いろいろなプロモーションを実施してきた。このプロモーションを通して、現地で消費者に和牛を紹介していく。それが成功すると、発注が産地に届く。これは売り込みと方向が逆だという点に注意してほしい。もちろん、輸出を伸ばすうえでは産地の取組も必要となる。ただ、プロモーションを先行させ需要のすそ野を広げた上で、産地間競争ではなく、産地間連携、調整をしながら輸出の成功を目指さなければならない」と語った。