4月の豚肉需給展望 月間平均で税抜き540~550円、税込580~595円前後か

[価格見通しなど]2015年3月の東京食肉市場の上物平均価格(税抜)は531円(税込では573円)、前月比48円安(税込では52円安)となった。本来なら不需要期の2月に比べ3月は相場が上昇する時期だが、2月のチルド不足による極端な高値が3月に一定程度修正された形だ。ただ、それでも前年同月を57円上回るという高値を維持している。

3月は18日までは、輸入チルドの玉不足を背景に555円(税込で600円)を超していたが、輸入チルドが出回り始めたことで23日の週は一段下げ、25~26日は483円まで下げた。このため月間平均では、ほぼ予想通りの水準となった。相場は高値で推移するが、末端での売れ行きは国産、輸入チルドともパッとせず、特に輸入チルドは3月23日の週に東海岸から入船があったほか、西海岸の遅れた分も到着したことで余剰感が出ている。

農水省食肉鶏卵課の肉豚出荷頭数によると、2015年4月の全国の出荷頭数は前年比2%減の135万9,000頭(過去5年平均比では3%減)が見込まれている。1日当たりでは6万4,700頭前後と予測される。一方で、特売の減少により末端の需要は低迷、輸入チルドも一旦売場が縮小する中で、3月末にまとまった入船があったことで余剰感が強い。4月は、歓送迎会、入学式などもともと需要が拡大、さらに下旬は大型連休に向けた手当てが入り相場は上昇する時期になる。しかし、現状での末端の動きは悪く、輸入チルドだけではなく、出荷頭数の少ない国産品でも余剰感が出ている。4月6日以降は学校給食が再開しスソ物が締まってくること、輸入チルドの供給も安定してきたことで徐々に売場も戻ると見込まれる。

現状の出荷状況をみると、速報段階だが4月1日~2日に5万9,000頭台と、予測を下回った。東北での寒波で生育に影響が出たこと、関東でPEDの発生が散発的に出ていることが要因と考えられる。この出荷頭数の減少が、枝相場の高値を支えていると見られ、1日当たりの出荷頭数がコンスタントに6万3,000頭台が続けば相場は緩むと見込まれる。

これらを勘案すれば、出荷減少で一時的な上昇はあるにものの、今週、来週は530~540円(税込570~580円)で推移し、20日以降は一段上昇し550~570円(同595~615円)、月間平均では540~550円(580~595円)と見込まれる。