4月の牛肉需給展望 和牛はわずかに下げA3で2,050円前後の見通し

[価格見通しなど]15年3月の東京食肉市場の規格別の価格(消費税8%込み)は、和去A5で前月比23円安の2,412 円、A3で33円安の2,087円、交雑B2は24円高の1,463円、乳去B2は90円高の1,074円となった。和牛は1月の高騰から2月、3月と徐々に下げた半面、交雑、乳去は上昇した(グラフ参照)。

出荷減の中で、1月に和牛の価格が急騰、量販店の店頭では販売することが難しくなり、2月以降は品種・等級にかかわらず、少しでも安い国内産の牛肉を求める動きが強まった。和牛はA5だけではなくA3などの大衆規格も下げる一方で、需要が割安な交雑、乳去に移行していることで、交雑、乳去の価格は上昇した。和牛A3は昨年のA5価格まで上昇、交雑B2は同A2(1,600円前後)に近づいている。乳去B2は一昨年の600円台から、今回1,000円台に乗せた。

4月の見通しは、農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数は前年同月比1.1%減の9万8,400頭、うち和牛は同1.5%減の4万3,500頭が見込まれている。一方の末端の売れ行きは決してよいわけではなく、量販店でのチラシの露出は少ない。各量販店とも、黒毛和牛では本体価格を1パック999円に抑えるなど売価を工夫するほか、交雑種・乳去で特売を行っている状況だ。3月と同様、産地指定を外すとともに、等級や交雑種、乳去など品種にこだわらず少しでも安価な国内産の牛肉を手当てして末端価格を抑える傾向がより強まっている。

これらを踏まえると、和牛は1月を天井に下げ傾向が続き、4月も弱含みで推移する一方、交雑種、乳去は続伸と見られる。その結果、和去A5で2,400円前後、A3で2,050円前後、交雑去勢B2で1,500円前後、乳去B2は1,100~1,150円と見られる。特に乳去は4月~5月連休が需要期であり、上昇幅が大きいと見込まれる。

5月連休以降は、上げは一服するものの、大きな下げに転じることは考えづらく、引き続き高値を維持すると見込まれる。