東京市場の23日の豚価は14円安の税抜530円に下げる

東京食肉市場の豚価(上物、税抜)は23日、前日比14円安の530円まで下げた。国産豚肉の枝肉相場は、3月下旬に若干緩んだものの、4月に入ってからは月初の手当て、不安定な輸入チルドの供給状況を踏まえ、税抜き550円を挟んで推移するなど依然高値を付けていた。しかし、輸入チルドの物流が正常化し大手量販店での販促も始まり、国産手当てが減ったことで下げ基調に転じたと見込まれる。大型連休では、高値の国産物から輸入物の販促にシフトし、連休手当てによる国産豚肉の極端な高値は回避される見通しだ。

また、出荷頭数は22日に6万2,900頭、23日に6万3,300頭と、連休分の出荷が始まったことでこれまでの6万1,000頭台を上回っている。連休前は6万5,000頭前後の出荷が見込まれ、ここまで6万1,000頭前後の出荷で回っていた需要に対しては、多めの出荷頭数となるため、現状の530~550円の落ち着いた展開が見込まれる。

4月の出荷頭数は、速報段階の数字をみる限り、6万1,000頭前後で推移しており、15日までは6万頭の大台を下回る日も見られた。寒の戻りによる生育遅れ、関東地域で散発するPEDによる出荷自粛が影響したとみられる。その中で、豚価は、東京・大阪とも550円を挟んで推移しており(23日の大阪は613円と反発)、出荷頭数減が国産相場を下支えした形だ。3月後半からは、輸入チルドの供給が回復し、余剰感が出たが、中小スーパーでの特売が目立つものの、大手量販店での販促は国産が中心となっていたことも国産枝相場の高値につながった。ただ、末端の売れ行きは決して良くなく、バラなど一部のアイテムでは在庫が重くなっている。