食肉輸出入協会が総会、新会長に住友商事の則本氏が就任

日本食肉輸出入協会(小林修一会長)は21日、東京・千代田区の東海大学校友会館で15年度通常総会を開いた。今回は任期満了に伴う役員改選が行われ、小林会長の後任に、住友商事食品部参事の則本博文氏(=写真)の就任を決めた。同様に、新副会長にはジャパンフード海外事業部第二食肉部長の西野新一氏、三菱商事輸入食肉チームリーダーの長瀬伸弘氏が就任する。岩間達夫専務理事は再任となった。このほか、牛肉・豚肉・鶏肉の各部会長も新任され、牛肉部会長には伊藤忠商事畜産第三課長の深川賢治氏、豚肉部会長に日鉄住金物産欧州ポーク課長の玉置竜也氏、鶏肉部会長に丸紅畜産第二課長の小栗研二郎氏が就任する。15年度事業計画では、引続き食肉の輸入動向調査および会員への情報提供や食肉安全性に関する事業の推進、海外食肉調査事業などを行ってゆく。

総会に先立ち、小林会長は「この2年間の任期中、長年規制が続いていた米国産牛肉の月齢緩和措置は、市場の選択肢を拡大する意味で大きな改善だった。しかし、日本が輸入を規制してきたなかで、中国を中心とした牛肉消費後進国による爆買いによって、期待された買付けが以前のようにできなくなった。昨今では円安の進展で輸入畜肉の原料コストも高値安定し、輸入に頼る我が国としては非常に厳しい環境にある。さらに昨年は米国のPEDで豚肉価格が高騰し、国産鶏肉・輸入鶏肉へと代替が進んだ。今年の米国の港湾労働問題も輸入に混乱をきたす大きな問題だった。だが、悪いことばかりだったわけでなく、長年交渉を続けてきた日豪EPAが締結され、関税が段階的に削減されることとなった。昨年4月の大筋合意からたった一年で発効する速さにも驚かされた」と就任した2年間を回顧。そのうえで「残されている注目改題は、TPP交渉の成り行きである。いまだ日米交渉が続ており、牛肉・豚肉の市場アクセスの動向が非常に気になるところだ。そのほか、カナダおよびEUとのEPA交渉も関心が寄せられる。今後とも輸出入協会が、輸入品のみならず国産品に対しても課題を多く持ち、畜産業界の発展に大きくかかわってゆくことを期待している」と感謝の意を示した。