【本格的なBBQシーズンを迎えた北米豚価動向㊤】異常高値の昨年とは様変わりか

米国では25日のメモリアルデーの祭日以降、学校の夏休みの開始とともに本格的なBBQシーズンが始まった。夏休みの行楽需要が盛り上がり、食肉消費・食肉相場にも季節需要の独特な動きが入るため、チルドポークの最大の供給国である米国の相場動向が気にかかるところだ。PEDによる出荷豚減少で異常高値を付けた昨年と、全く異なる今年の相場展開を推測したい。

日本と同様に米国でも、夏場は豚出荷頭数が減少する。その一方で豚肉需要が盛り上がるため、一般的には季節的に高値相場を付けるが、今年の動向はどうなるのだろうか。豚肉だけで相場動向を見るのではなく、牛肉・鶏肉を含めた3つの食肉の中での豚肉のポジションを見る必要があると同時に、今年の場合は諸外国通貨に対する米ドルの独歩高が大きな意味を持つ点も踏まえて考えてみたい。

[牛肉]牛群回復が継続されているため、本格的な出荷回復は、来年第1四半期とも第2四半期とも言われているが、22日に発表されたUsDAの「Cattle on Feed」レポートでも4月1日の肥育総頭数が前年比100%、4月導入が95%、4月出荷が92%、5月1日の肥育総頭数101%と、やはり牛肉価格を冷やすだけの出荷は、難しい状況となっている。

これを踏まえ、チルドポークを供給する各パッカーからは、「夏場の季節需要が牛肉から豚肉にシフトするので高値になる」「日本向けチルドポークも高値販売となる可能性がある」との声が聞かれる。