8月の需給展望牛肉 和牛A5は頭打ちも、売れ筋の和去A3は2,200円前後へ上昇
[価格見通しなど]15年7月の東京食肉市場の規格別の価格(消費税込み)は、和去A5で前月比36円高の2,495円、A3で34円高の2,166円と和牛はそれぞれ小幅な上昇となった。一方、交雑去勢B2は14円安の1,514円、乳去B2は12円安の1,103円とわずかに下げたが、依然高水準を維持している。
7月前半は、不需要期の中で全体的に弱含んだが、「海の日」の連休後は、旧盆向けの手当ても始まったことで再び堅調相場となった。ただ、末端の売行きは極端に良くはないものの、出荷頭数の少ないなかで、ちょっとした手当てでも枝肉の上昇につながっている。また、ここまで少しでも安価な国産牛肉を求めるため、和牛がわずかに下げ、交雑種、乳用種が上げる状況となっていたが、和牛との価格差が縮小し、これらの枝肉価格が頭打ちとなり、逆に和牛の手当てが増え、わずかに上昇した。また旧盆手当は和牛が中心であり、これが和牛を底上げしたとも見られる。
8月の見通しでは、農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数は0.4%減の8万8,100頭、成牛の1日当たりの出荷頭数では3.6%減を見込む。
需要面では、7月後半から、旧盆向けの手当てが始まり、現状でも引き合い強く、8月は14日からデリバリーを休むところが多いため、12日ごろまで追加オーダーも入ると期待される。首都圏などは、人口の流失で不振が見込まれるが、地方での需要増が期待される。休み明けは、需要は落ち着くものの、頭数が少ない中で、相場が極端に下落することは考えづらい。これらを勘案すれば、和去A5は頭打ちで2,450円前後、量販店での売れ筋のA3では2,200円前後と上昇、また交雑去勢B2で1,500円前後、乳去B2は1,100円前後のほぼ横ばいと見られる。