8月の鶏肉需給展望 モモ肉は日経平均610~615円、ムネ肉345円前後
【価格動向など】2015年7月の鶏肉相場(農水省統計部、税抜価格)をみると、モモ肉は前月比8円高の628円、ムネ肉は8円高の350円となった。モモ肉は、上旬623円、中旬632円、下旬631円と、6月下旬を底に上昇している。ムネ肉は、上旬346円、中旬352円、下旬353円と、中旬以降350円を超して推移している。
モモ肉は、季節的に7~8月が底値になるが、今年は6月こそ13円安と下げたものの、本来下げるはずの7月に上昇に転じた。季節的に生鮮での販売は鈍化しているが、年末向け凍結品の品不足が深刻で、この手当てのために上昇することになった。またムネ肉はグラフのように340円を超して高値で推移している。
日経平均(税抜)でみると、モモ肉で前月比5円高の617円、ムネ肉は4円高の344円で、合計では9円高の961円となった。
8月見通しでは、農畜産業振興機構の需給予測によると、同月の生産量は0.2%減の11万7,700tが見込まれる。ただ、東北地方では、梅雨明け後、いきなり猛暑日が続いたことで成育が悪いとの見方もあり、これを下回ることが懸念される。また、日本食肉輸出入協会によると、8月の輸入量は15.6%増の4万4,200tと、4万tを大きく超すと予測される。需要面では、例年、季節的に鶏肉が売れる時期ではなく末端での動きは鈍い。しかし、今年は在庫が6月末現在で2万t強(一昨年6月は3万3,300t)と極端に少なく、年末に向けた在庫積み増しの動きが強く、モモ肉での相場の下げは限定的とみられる。また、ムネ肉の需要は底堅く、価格は高止まりすると見られる。これらの結果、8月の相場は、モモ肉は前月をわずかに下回る620~625円(日経平均で610~615円前後)、ムネ肉は345円前後(同)と見込まれる。また9月はシルバーウイーク、需要期入りを考えれば、モモ肉で10円高、ムネ肉は現状の高値を維持すると見込まれる。