9月の牛肉需給展望 和牛は全体的に弱保合、和去A3は2,150円前後か

[価格見通しなど]15年8月の東京食肉市場の規格別の価格(消費税8%込み)は、和去A5で前月比5円安の2,490円、A3で20円高の2,186円と、和牛はA5はわずかに下げたものの、A4以下はそれぞれ上昇した。一方で、交雑去勢B2は4円安の1,510円、乳去B2は前月並の1,103円と、弱含みながら高水準を維持している。

8月前半は、旧盆向けの手当てが始まり堅調相場が続いたが、休み明けは若干落ち着いた。しかし、前半の猛暑、後半は天候不順で、末端の動きは良くなかった。旧盆中の売れ行きも、地方ではそこそこの動きがあったものの、首都圏などでは不振で、全体的に期待に届かなかった。その中でも枝肉相場は、下旬にわずかに緩んだのみで、末端と枝相場のギャップがさらに拡大した。

9月の見通しでは、農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数は7.4%減の8万8,700頭、成牛の1日当たりの出荷頭数では2.5%減を見込む。

需要面では、気温が涼しくなったことでスライス材が動き、学校給食の関係でホルスのスソ物も締まる。ただ、ウデ・モモの価格が上昇し、量販店では切落しの販売が減少しており、販売数量は縮小している。シルバーウィークには、スライス材だけではなく、焼材の動きも期待がかかるが、これも天候次第であり、現状では特に引き合いが強い訳ではない。量販店店頭では、価格の上昇した牛肉の代替に輸入チルドポークを販売するなどの動きもあり、国産・輸入とも牛肉販売にとっては厳しい環境となっている。

これらを勘案すれば、和去A5が頭打ちで2,400円前後に下げるのをはじめ、和牛は全体的に弱含みでA3では2,150円前後、また交雑去勢B2は1,500円前後、乳去B2は1,100円前後のほぼ横ばいと見られる。