8月の初生牛価格は値下がりに転じるものの、依然高値圏を維持、乳廃も過熱相場
肥育素牛相場の高騰を受けて、ことしの初生牛の取引価格も昨年・一昨年水準を大きく超えて推移している。特に交雑種の高値については13年下期から顕在化しており、例年、相場のピークとなる6~7月の相場はことし、前年から2割程度高値を付け20万円の大台を超えた。8月に入ると交雑、乳雄(ヌレ子)と、例年通りやや相場を戻しているが、出回り頭数も少なく、これから年末に向けても下げたとしてもその幅は小さいとみられる。
農畜産業振興機構のまとめによると(8月31日現在の速報値)、8月の全国初生牛取引価格は交雑種が1頭当たり21.3万円で前年同月比32.2%高、乳雄が6.7万円で同70.6%高となった。いずれも前月からやや値を下げているものの、8月としては異例の高値圏内となった。確定値ではないものの、同月の取引頭数が乳雄で同8.8%減と少なく、出回り頭数が回復傾向にある交雑種も前年同月比0.2%減と伸び悩んだため、さらに素牛相場高を受けて、農家もより良い牛を買い求める傾向にあることも価格を下支えしているとみられる。
一方、北海道の乳廃用牛相場(ホクレン5市場)についても、7月は20.4万円(前年同月比15.7%高)と20万円台を付けたほか、8月はやや値下がりしたものの、それでも18.8万円(11.3%高)と高値で推移している。ことし1月以降、出回り頭数も減ってきており、依然として加工原料の需給がタイトにあるため、当面は高値が続く見通しだ。