10月の鶏肉需給展望 モモ肉は日経平均660~670円、ムネ肉350円前後

【価格動向など】2015年9月の鶏肉相場(農水省統計部、税抜価格)をみると、モモ肉は前月比8円高の633円、ムネ肉は2円安の351円となった。モモ肉は、上旬626円、中旬631円、下旬644円と、8月下旬を底に上昇に転じ、シルバーウイーク明けは640円台で推移している。ムネ肉は、上旬354円、中旬351円、下旬348円と堅調相場の中でも下旬にわずかに弱含んだ。

日経平均(税抜)でみると、モモ肉で前月比12円高の621円、ムネ肉は前月と同じ344円で、合計で12円高の965円となった。

農畜産業振興機構の需給予測によると、10月の生産量は2.6%増の13万4,600tが見込まれる。現状では、九州地域、東北地域とも産地の生産は順調なもようだ。また、日本食肉輸出入協会によると、10月の輸入量は2.1%増の4万8,500tと5万t近い輸入が予測される。

当初、10月は国産豚肉の枝肉相場が下がったことで、量販店の特売も一部国産豚肉に移行し、モモ肉、ムネ肉とも玉が出やすくなるとの見通しもあったが、10月に入り気温が下がり、一気に鍋需要が始まったことで、日経平均では月初(1日)のモモ肉641円、ムネ肉342円から、12日にはモモ肉で656円、ムネ肉で355円まで上げている。「相場は上げすぎ。このままでは11月に700円を超え、逆に消費が離れてしまう」との見方もある。

国産豚肉や輸入鶏肉の動向をみれば、急激な相場上昇が継続することは考えづらく、一進一退を続けながら上昇するとの見方が多い。現状は急な鍋需要と大手量販店での野球関係の応援セールが入り、実態以上に上げているとの指摘もあり、これらを勘案すれば、10月の相場は月間平均で680~690円(日経平均で660~670円)、ムネ肉は355円前後(同350円前後)とみられる。