東京食肉市場まつりに約3万人が入場、“総称山形牛”のしゃぶしゃぶなどを楽しむ
東京食肉市場協会は24、25の両日、東京・品川区の東京都中央卸売市場食肉市場で「東京食肉市場まつり2015」を開いた。国産牛肉・豚肉の消費拡大、市場への理解促進のために、年に一度だけ市場を開放し開催されているもの。24日は開場の午前10時前には品川駅港南口の市場正門から市場を取り巻き、北品川駅近くまで入場待ちの列ができるほどの盛況ぶりだった。来場者は初日に1万5,154人、2日目が1万4,609人、合計2万9,763人と、過去最高だった昨年とほぼ同じだった。
今年は会場内に開設されたイベントステージでオープニングセレモニーが開かれた=写真。市場まつり実行委員会の小川一夫会長(東京食肉市場社長)は、「今回の市場まつりでは、山形県の“総称山形牛”のしゃぶしゃぶ、銘柄牛豚のとんかつ、モツ煮込みをゆっくり味わっていただきたい。また、山形県の物産をはじめ、さまざまな物産の販売が行われている。本日は好天にも恵まれ、秋の一日、食肉市場まつりで楽しんでいただきたい」と来場者に向けてあいさつした。
また山形県の吉村美栄子知事が、大勢の来場に謝意を示すとともに、「山形県は豊穣の大地で、広大な県土に美味しい水、美味しい農作物を作る生産者の優れた技術で総称山形牛、米沢牛、つやひめ、ラ・フランスなどが育まれている。本日は、山形県の美味しい農産物を食べていただき、山形ファンになっていただきたい」と山形県のPRを行った。
引き続き都議会の小磯善彦副議長、岸本良一東京都中央卸売市場長、武井雅昭港区長があいさつした。その中で小磯副議長は、「朝から都民の皆さんがたくさん詰めかけている。TPPなど社会情勢が大きく変化している中、都議会としては、食肉市場の活性化、信頼性の確保へ施設の更なる整備・充実をはじめ市場の改善に向けて取り組んでいきたい。2020年には、東京でオリンピック・パラリンピックが開催され、世界中からスポーツ選手、観光客の皆さんが訪れる。その中で“美食の都東京”で美味しい料理でおもてなしをしたい」と述べた。
その後は、食肉市場センタービル会議室に場所を移し、開会式(感謝の会)が開催された。最初に、実行委員会の腰塚源一副会長(東京食肉市場卸商協同組合理事長)が、「市場を取り巻く環境は、牛・豚の高値基調が続く中で、小売店などでの販売価格が伸びず厳しい状況が続く。TPPは大筋合意に至ったが、食肉流通のグローバルな動きはさらに加速すると思われる。さらに他県のと畜場・市場のHACCP化が進む中で、東京食肉市場でもHACCP導入による衛生対策の強化が急がれる。市場整備では、これまでの東京都の努力に感謝するとともに、2020年のオリンピックを控え、将来にわたり都民の負託にこたえるための市場整備へのさらなる支持をお願いしたい」と開会のあいさつを行った。