11月素牛相場、4畜種とも続伸、黒毛は70万円に迫る、ホル雄67%高に
慢性的な供給不足を反映して素牛価格は加熱相場の様相を呈しているが、11月の全国平均価格も各畜種で前月からさらに値上がりし、和牛では2割高近い水準を付けている。農畜産業振興機構が10日にまとめた全国家畜市場の肉用子牛の取引状況(速報値)によると、11月の黒毛和種(雄・雌)の全国価格は1頭当たり平均69.3万円(前年同月比18.5%高)に達し、70万円台に迫る勢いとなっている。例年、年末にかけての素牛相場は、肥育経営が出荷後の空き牛舎を埋めるため買い気が強まるが、慢性的な素牛不足で各市場で買いが集中し、相場を押し上げているとみられる。
褐毛和種も59.4万円で同18.1%高、交雑種は38.7万円・9.9%高に値上がりした。とくにホルスタイン種は出回り頭数が増えているものの、価格は雄雌平均で24.6万円・66.2%高、ホル雄は25.2万円・66.9%高と7割高となっている。肥育農家にすれば空き牛舎を回転させるため高値であっても購入せざるを得なく、12月素牛相場はさらなる高唱えが展開されるとみられる。