「但馬牛」「神戸ビーフ」がGIに登録、GI法施行後初の登録産品に-農水省
農水省は22日、「但馬牛(ぎゅう)」・「神戸ビーフ」を含む7品の地理的表示保護制度(GI)登録に当たり、省内で「地理的表示登録産品発表会・登録証授与式」を開催した。今回登録された7品はことし6月の地理的表示法施行から初めての登録となる。発表会で抽選により決められた登録番号は、「但馬牛」が2番、「神戸ビーフ」が3番、そのほか「あおもりカシス」1番、「夕張メロン」4番、「八女伝統玉露」5番、「江戸崎かぼちゃ」6番、「鹿児島の壺造り黒酢」7番となった。
「但馬牛」・「神戸ビーフ」を推薦した神戸肉流通推進協議会事務局は、その歴史と特長を紹介し、それぞれのブランドの定義を説明した。「但馬牛」のうち品質の良いものが認証される「神戸ビーフ」の定義について、もと牛の限定に加え枝肉重量に制限があるブランド牛は「神戸ビーフ」しかないことから、世界で最も厳しい定義であると強調した。最近の状況としては、14年度の但馬牛が6,983頭で、そのうち72.7%の5,077頭が神戸ビーフとして認定されており、各生産者の肥育技術の向上や兵庫県による種雄牛造成の成果により神戸ビーフ率が高くなっているという。今後について事務局は、「GIマークの使用により本物の神戸ビーフ・但馬牛であることを国内外の消費者に示し、ブランド力の向上を目指す。また、兵庫県の繁殖雌牛を2万頭に増やす目標を実現するための取組みを強化する必要がある。兵庫県独自で行っている閉鎖育種の継続により、科学的根拠に基づく美味しい肉牛生産の強化、美味しい肉牛づくりの更なる追求のため、但馬牛種雄牛造成を行う」と、ブランドのアピールにとどまらず、品質を高め増産していく考えを示した。授与式で森山裕農水大臣は、「TPP総合政策大綱を踏まえ、農林水産物等の輸出を戦略的に推進するために、諸外国と相互に地理的表示を保護するための法改正に向けて準備をしていく。今回の登録を契機に海外市場にも積極的に挑戦をし、攻めの農林水産業の一翼を担っていただきたい」と、地理的表示登録品への期待を示した。