強化された経営安定対策、生産基盤強化対策を活用し“強い畜産”へ-畜産課長会議

農水省は15日、15年度第2回全国畜産課長会議を開き、同省の15年度補正予算と16年度予算について説明した。冒頭、大野高志畜産部長は、総合的なTPP政府政策大綱の畜産分野の内容を説明したうえで、「強化された経営安定対策、生産基盤強化対策を活用して、畜産部を挙げて、TPPに負けないどころか、TPPを契機にさらに強い畜産を作っていきたい」とあいさつし、参加した都道府県の畜産関係者に協力を求めた。

会議では、畜産企画課が畜産クラスター事業の見直し案について、都道府県での計画へのポイントのつけ方が全国共通の基準となるよう詳細に説明し、都道府県で畜産クラスター計画に優先順位をつけることなどを求めた。また、16年度は、610億円を一度に配分し切るのではなく、ポイントの高いものから採択してゆき、次の機会を設けることで選ばれなかった協議会にはさらにしっかりした計画を作り直すことで再度チャレンジしてもらう形で運用する予定であることが示された。

このほか、ALIC(農畜産業振興機構)

事業である肉用牛経営安定対策補完事業のなかの繁殖雌牛増頭対策の拡充内容も説明された。繁殖雌牛を増頭する場合は1頭当たり8万円、能力の高い牛の増頭は同10万円の奨励金を交付する中核的担い手育成増頭推進では、10頭未満小規模経営は事業に参加できなかったが、3~5戸程度の生産者集団を組織することで事業に参加できるようになった。生産者集団の構成員全員が増頭することなどの条件がある。

また、前年度に繁殖雌牛が減少した場合は事業に参加できなかったが、繁殖雌牛が、事故(廃用)により減少した場合は参加できるようになる。家畜共済における廃用認定や農場内での死亡(と畜場での全廃棄を除く)などを想定し、前々年度の飼養頭数からの増頭分に奨励金を交付する。従来は、繁殖雌牛として導入・自家保留した雌子牛は12月31日時点に満12カ月齢以上でなければ奨励金の交付を受けられなかったが、導入直後の雌子牛も対象となるよう満9カ月齢以上であれば交付対象となる。