加工食品の原料原産地表示で検討会始まる、秋めどに中間とりまとめ
農水省と消費者庁は1月29日、東京八重洲のTKP東京駅日本橋カンファレンスセンターで、第1回「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」を開いた。最初に、松本文明内閣府副大臣、齋藤健農林水産副大臣があいさつし、2015年3月の消費者基本計画や、今回の総合的なTPP関連政策大綱での「実行可能性を確保しつつ、拡大に向けた検討を行う」との指摘があったことを説明した上で、「今年の秋をめどに、消費者の選択の機会確保へ、どんなところで、どのように行うか十分な議論をお願いしたい」と述べた。
委員は既報のように、学識経験者、生産者、加工メーカー、流通業者、消費者の17名で構成され、委員の互選によりお茶の水女子大学大学院の森光康次郎教授が座長に選ばれた。また森光座長により座長代理に宮城大学の池戸重信名誉教授が指名された。
検討会では、事務局から現行の食品の産地表示、原料原産地表示対象品目拡大の経緯などが説明された。現在は、食品表示法に基づく食品表示基準により、消費者が購入する食品に表示が義務付けられ、加工食品の原料原産地表示では、①原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品として品質に大きく反映されると一般に認識されている品目のうち、②製品の原材料に占める主原料である農畜水産物の重量の割合が50%以上である商品–の要件を満たす商品について検討し、これまで22食品群および4品目について同表示が義務付けられている。また、一部の食品ではガイドラインなどによる自主的な取組みが行われている。
検討会では、①現行の加工食品の原料原産地表示制度や取組みの検証、②加工食品の原料原産地表示拡大に向けた具体的な方策–を検討する。次回(3月1日開催予定)に、過去の検討における論点・課題を検証、その後、関係者ヒアリング(消費者、生産者、事業者)、消費者意識調査・製造業者に対する調査の実施(消費者庁・農水省が実施)、ヒアリング・調査結果を踏まえた論点整理、取りまとめに向けた議論を月に1回程度実施し、秋をめどに中間的な取りまとめを行う。