日本市場は29万t前後で安定して推移へ-MLAアンドリュー駐日代表

MLA豪州食肉家畜生産者事業団(アンドリュー・コックス駐日代表)は4日、港区高輪の品川プリンスホテルで「オージー・ビーフ&ラム 2016年MLAプロジェクションセミナー」を開いた。同セミナーでは、アンドリュー代表が、2016年度産業予測と今年度のプロモーション活動を説明した。その後の懇親会では、厚切りステーキにしたアンガスビーフ、グレインフェッド、グラスフェッドの3種類のオージー・ビーフの食べ比べが行われた。また、主なパッカーの担当者が紹介された。

アンドリュー代表の説明によると、この3年間、クイーンズランド州、ニューサウスウエールズ州ではほとんど雨が降らなかった。直近3カ月で降雨があり改善はしているが、これらの地域が干ばつから抜け出すには、今後の降雨が重要となる。干ばつが続く中で、生産者は牛の販売を優先し頭数は減少している。この結果、2016年の飼養頭数は前年比5.4%減の2,618万頭が見込まれる。

しかし、「重要なことは、それにもかかわらず輸出量は伸びていること」(アンドリュー代表)。16年の輸出量は過去4番目に多い105・5万tを予測。この要因について、次の4つを挙げた。ひとつめは、枝肉重量の増加。干ばつで頭数が落ち込むものの、生産者が重量の増加に努めている。牛肉生産量は前年比で13%減の221.1万tだが、これは過去4番目に高い。次が豪ドルVS米ドルで、過去10年間米ドル高であり輸出に追い風だったこと。3つ目は国内消費量が減少し15年は生産量の75%が輸出に回されたこと。4番目は、EPAの影響により各国の牛肉関税が下がり輸出が増加したこと。5番目は、穀物肥育牛の増加。16年1月現在で94万頭に達したが、これは日本市場に回ることが多く重要なポイントになる。15年の対日輸出量(船積み数量)では、グラスが51%、グレインが49%とほぼ同じレベルとなっている。またチルドの75%がグレインとなっている。