東京豚価は11日税抜446円と急落、月末に向かい弱く3月平均で450円前後か
2月の豚価は中旬までは、出荷頭数が7万頭前後に達する中でも東京市場では2月9日に562円(上物、税抜)と500円を大きく上回っていたが、その後は気温が東京で20℃を超し鍋需要が落ち込むなど消費不振により急落、23日には398円と一時的に400円を下回った。3月に入り、店頭での販売は依然として良くないが、出荷頭数は6万5,000頭を挟んで推移するなど少なくなっていることで徐々に上げ、8日以降は480~500円で推移していた。しかし、11日は全体的に買い気が弱く、前日比40円安の446円まで下げた。今後は、「春分の日」の連休までは、上げ下げがあるにしても450~470円の水準で推移するものの、連休後は3月末の年度末を控え動きが鈍ることで弱く、3月の月間平均では450円前後と見込まれる。また、4月は新年度入りで需要も拡大、月末はGW向けの手当てが入り、平均では470~480円前後と見込まれる。
出荷頭数は、2月の概算は141万頭で1日当たりでは約7万頭となった。その中で、1月後半から2月上旬までは寒い日も多く、鍋需要や受験シーズンでとんかつ用のヒレの引き合いが多かったことで、豚価は東京市場で9日に562円まで上昇した。しかし、13~14日は首都圏で気温が20℃に達するなど季節外れの暖かさとなり、鍋用のスライス物の動きが止まった。そのため、19日には前日比61円安の419円と急落、23日には398円と400円を割込んだ。
ただ、大阪市場は西日本での玉不足を反映して500円前後を維持し、18日以降は価格差が拡大、23日の東京と大阪の価格差は109円にまで広がった。
3月に入ってからは、末端の販売自体は変化はないが、出荷頭数が6万5,000頭前後まで減少してきたことで、7日の週は480円台で推移している。出荷頭数については、九州地方や関東地方でPEDの影響が若干見られるほか、1月に気温が高いことで早めに出た分、現状の出荷に影響しているとの見方がある。一方、量販店の販売は今ひとつで、国産牛肉の高値相場で、豚肉で利益を取るしかなく、売価の設定が高めとなっていること、国産の相場も不安定で思い切って国産にシフトできず、輸入チルドポークのフェイスが多めに確保されていることが要因となっている。