日本ハム3月期、売上高は2.3%増の1兆2,407憶円、食肉3.7%増7,168億円
日本ハムが9日に発表した2016年3月期決算(連結)は増収減益となった。売上高は2.3%増の1兆2,407億2,800万円、営業利益は4.3%減の463億4,000万円、税引前当期純利益は27.8%減の321億3,900万円、当期純利益は29.9%減の217億7,900万円だった。加工食品、食肉などの増加で増収も、為替差損やのれん等の減損損失を計上したことなどで減益となった。
同期は、国内ファーム事業の強化、マレーシア大手の統合型養鶏事業会社lay Hong Berhad社との資本業務提携、新商品の開発と販促、人材育成などに取組んだ。
売上高の主な内訳は表の通り。また、各事業部ごとの状況をみると、加工事業本部はハムソーでは「シャウエッセン」など主力商品のTVCMなどの販促や主要ブランドのブラッシュアップを図り、コンシューマー商品の売上回復に努めた。歳暮ギフトでは、ハムギフト全体が苦戦する中で、旗艦ブランドの「美ノ国」の販売個数は伸長したが、ギフト全体の販売個数は前年を下回った。加工食品部門では、「石窯工房」や新製品の「極み焼ハンバーグ」などが堅調に推移し、主力の「中華名菜」も回復してきた。一方、業務用はCVs、外食を中心に価格競争が激化し、売上回復が遅れ苦戦した。この結果、加工事業本部の売上高は1.4%減の3,565億8,100万円と前年を下回った。利益面では、商品構成の見直しや生産ラインの集約によるコスト改善に加え、物流効率化にも取り組み、また原燃料事情が好転したことで、営業利益は88.5%増の40億5,400万円となった。
食肉事業本部では、食肉価格は豚肉・鶏肉で軟調だったものの、鶏肉を中心にフード会社の販売数量が増加し、全体の売上高は増加した。ブランド鶏肉である「桜姫」のTVCMを夏と秋に関東エリアで投入、インターネットを活用したプロモーション、取引先とのタイアップ企画などで各ブランド食肉の訴求を行うなど複合的なコミュニケーションを行った。海外では、米州事業で豚肉の販売価格が下落し苦戦した。その中で、食肉事業本部の売上高は3.3%増の8,773億3,400万円と前年を上回った。利益面では、国内のファーム事業で相場の下落などマイナス要素があったが、国内事業全体では販売数量の増加、ファーム事業の生産性の改善もあり増益となった。しかし、海外では豪州事業での牛の仕入価格の高騰、米州養豚事業での相場下落などで苦戦し減益となった。この結果、営業利益は12.1%減の396億6,000万円となった。
関連事業本部では、乳製品部門の健闘などにより売上高は2.7%増の1,593億7,100万円、営業利益は694.8%増の22億8,100万円となった。
次期については、売上高は2.4%増の1兆2,700憶円を目指す。うちハムソーは3.7%増の1,467億円、加工食品は6.3%増の2,353億円、食肉は1.6%増の7,283億円、水産物は3.4%増の979億円を見込む。