15年度の関税割当発給実績、豪州産牛くず肉は99%の消化率
日豪EPAが発効してことし4月から3年度目を迎えるが、実質的な発効1年度目といえる15年度の豪州産畜産物に係る関税割当実績は、当初予想された通り、低関税枠の恩恵を受けようとタンや内臓など牛くず肉関連で高い利用率に上った。
農水省が集計した15年度の輸入畜産物の関税割当実績によると、同年度の発給数量は豪州産の牛くず肉で1.7万tに上り、発給枠のほぼ99%を消化した。貿易統計上の対象品目の輸入量(2.1万t)のうち冷凍タンが約4割を占めていることをみると、コスト計算がし易く比較的高関税部位の品目で割当枠を使ったものとみられる。輸入数量こそ少ないが、豪州はシチュー・カレーなどの牛肉調製品や鶏肉等も6割を消化した。
協定発効から11年度目となったメキシコでは、牛肉の割当枠が前年度から1,500t増えたものの、輸入数量の減少に伴い、発給実績は9,293tで前年度から2,942t減少、枠内消化率も62%と、前年度の91%から29ポイントも減少した。その半面、豚肉は輸入数量の増加に伴い、発給量も約7万tと前年度から7,343t増加し、消化率は79%と9ポイント上昇している。
チリの豚肉についても、同年度の輸入量が前年度実績を上回ったことで、発給数量も2.7万tと前年度から1,213t増加し、消化率は46%と2ポイント上昇した。ただ、実際の貿易統計上の対象品目の輸入実績をわずかに上回っていることをみると、発給数量のなかには実際に使い切れなかった件数が存在する可能性もある。そのほか、タイの豚肉調製品も割当枠が1,200tに過ぎないが、発給数量は1,199t(前年度から5t増加)、消化率は99%とほぼ消化している。