次回以降、全ての加工食品対象を前提に検討へ-加工食品原料原産地表示検討会
農水省と消費者庁は26日、港区の三田共用会議所で第6回「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」を開き、森光康次郎座長(お茶の水大学大学院教授)が次回以降、「全ての加工食品を表示対象にすることを前提に」表示方法などを検討する考えを示し了承された。ただ、食品業界関係者からは「仮に、全ての加工食品を前提とした場合、包材にしか表示を認めないのでは、情報を安全に表示するのは難しいことがあるのは、ヒアリングで明らか。表示手法として、インターネット、お客様相談室の電話番号など、表示しやすい方法を検討すべき」との意見が出された。
今回の議論では、最初に座長などがまとめた論点として、①表示の対象となる加工食品=国内で製造した全ての加工食品を義務表示の対象とするか。現行ルールと同様、表示可能面積が概ね30?以下の加工食品及び包装せずに販売する加工食品は対象外とするか、②義務表示の対象となる原材料=対象原材料は、例えば「製品に占める重量割合上位○位までの原材料とする」などの条件付けをどうするか、冠表示の取扱いをどうするか、③義務表示の方法=実行可能な方策として、現行の国別表示以外に大くくり表示、可能性表示、中間加工品の加工地の表示などを認めるか、それらの具体的な内容をどうするか、22食品群と4品目の現行ルールについて取り扱いをどうするか、④表示媒体=義務表示は食品の容器包装への表示を基本とするか、インターネットによる情報提供の取り扱いをどうするか–の4点が示された。
生産者委員、消費者委員からは、閣議決定もあり、「全ての加工食品を対象とする」とすべきとの意見が出される一方で、食品業界委員からは、「これまでのヒアリングで、難しいとの意見があった。結論ありきではなく、これまでの議論を整理すべき」など反対意見が出された。全員の意見を聞いたうえで、森光座長が「前提として、全ての加工食品への拡大に向けて前向きに考え、2項目以降の検討をしたい。例外、監視・実施の方法などは、その後に考えたい」とし、次回以降は、これを前提に検討する。