15年度肉類自給率は54%で1ポイント低下、牛40%、豚51%、鶏66%
農水省は2日、2015年度(平成27年度)食料自給率を発表した。それによると、カロリーベースの食料自給率は前年度と同じ39%、生産額ベースでは2ポイント上昇し66%となった。
カロリーベースの変動要因は、魚介類の国内生産減、自給率の高いコメの消費が減少する一方で、小麦、てん菜の国内生産が増加し、結果的に昨年度と同率の39%となった。生産額ベースの変動要因は、野菜、牛肉相場の上昇などで畜産物の国内生産額が増加したため、前年度から2ポイント上昇し66%となった。
畜産物のカロリーベース自給率は17%、このほか輸入飼料部分(自給としてカウントせず)は47%でともに前年度と同じだった。これを合計すると64%で、残り36%が輸入食肉や輸入乳製品となる。生産額ベースの畜産物の自給率は61%(前年度58%)、輸入飼料部分は12%(同14%)だった。
肉類の動向をみると、国内生産は0.5%増加し、うち牛肉は5.4%減、豚肉は1.4%増、鶏肉は1.5%増となった。前年度はPEDにより豚肉の減少が目立ったが、15年度は肉牛の出荷頭数減による牛肉の減少が鮮明になっている。輸入量は、全体で0.4%増加、うち牛肉は5.7%減、豚肉0.6%増、鶏肉6.6%増と、牛肉は輸入も減少、その一方で鶏肉が大きく増加している。この結果、消費仕向量では、肉類全体では1.9%増加しており、牛肉が2.0%減少、豚肉が2.5%増加、鶏肉は2.8%増加と、牛肉の減少分を豚肉、鶏肉(特に輸入鶏肉)が補った形になっている。
15年度の肉類の自給率は、牛肉が2ポイント低下し40%、豚肉が前年度並みの51%、鶏肉が1ポイント低下の66%、肉類全体で1ポイント低下の54%となった。
飼料自給率を勘案すると、牛肉の自給率は11%(前年度12%)、豚肉は7%(同7%)、鶏肉は9%(同9%)、肉類全体で9%(同9%)となっている。