全ての加工食品を対象とした表示制度案提示-原料原産地表示制度検討会

農水省と消費者庁は6日、同省内で第9回「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」(森光康次郎座長)を開いた。事務局が「今後の加工食品の原料原産地表示制度(案)」を提示、前回の会議で示された全ての加工食品を対象とする方針は変わらず、事業者の実行可能性に配慮し、重量割合上位1位の原材料を義務表示の対象とする案が示された。また、例外としての可能性表示、大括り表示についても条件と表示方法の案が出された。消費者、事業者双方から賛成、反対の意見が多くあったものの、森光座長は「座長として、大きな点を覆す考えはない。例外規定のあり方については議論したい」と締めくくり、事務局案をベースに細部の検討を進めたいとの意向を示した。

同案に対して、「1位の品目から始めるのは妥当と言える。可能性表示や大括り表示とあわせ、1位までというのは実行可能性を考えれば仕方がない」「例外を認めることで消費者への情報提供という意味で一歩前進から半歩前進に後退したように感じてしまうが、情報提供が無い状態よりは確実に前進する」といった賛成意見が複数上がった。一方、「誤認を招くことが懸念される可能性表示や大括り表示を容認しなければ実行可能性が無いという事は、全ての加工食品に表示をするという考え方に無理があるからではないか」「『輸入、国産』(大括り表示の重量順)など表示としてはおかしい。どんな注意書きをつけても分からない」など例外に対して消費者と事業者双方から反対意見も示された。