ハムソー9社中間期、売上高1.5%減と減収も利益面では2割の増益に
ハムソー・食肉関連各社の2017年3月期第2四半期(中間)連結決算が出揃ったが、今期は食肉相場の下落により販売単価が減少したことで減収も、原材料価格が安定したことで増益となった。なお、今回、伊藤ハムと米久が統合し伊藤ハム米久ホールディングが誕生した結果、9社の集計となった。前年比では米久を含む10社の数字との比較を行った。
対象9社の売上高は1兆6,273億円(1,000万円以下切り捨て、以下同じ)で前年同期比1.5%減少した。前中間期は10社中、9社増収・1社減収だったが、今中間期は2社増収・7社減収となった。9社の営業利益は22.1%増の522億円と前期の12.5%増に続き大きく増加した。ただ、2社で減益となった。9社を合わせた営業利益率は3.21%で、前年同期の2.59%を上回った。コスト削減や原燃料価格が好転したこと、食肉でも輸入牛肉で米国産の価格が下落する中で販売数量が拡大したことなどで利益率が向上したと見られる。
部門別には、ハムソー売上(公表している6社対象)は2,491億円で0.9%減少した。前中間期は1.9%増加したが、昨年10月のWHO問題の影響が残ったことで減収となった。特にNBは回復したものの、PB商品で回復が遅れている。ただ、原燃料価格が落ち着いていることで利益面では大きく改善した。
加工食品売上(6社対象)は3,064億円で4.7%増加した。前年同期は9.4%増であり、増加幅は縮小した。また前回に引き続き6社すべてで増収となった。滝沢ハムが2割増加したが、ハンバーグ類が好調に推移したことが要因であり、各社ともハンバーグ、サラダチキン、惣菜関連が伸びた。
食肉売上(7社対象)は8,204億円で5.9%減少した。国産牛肉は高値を維持したが、国産豚肉、輸入牛肉、輸入豚肉、輸入鶏肉で相場が下落。販売数量は増加したものの減収となった。しかし、利益面では前期に評価損を発生させた輸入冷凍牛肉の在庫消化が進んだこと、販売数量の増加で増益となった。
下期については日本ハムは「厳しい環境下にあるが、ファイターズ優勝という明るいニュースもあった。この勢いを歳暮商戦を含めてしっかり取り組み、営業利益510億円を最低ラインに考えていきたい」(末澤社長)と通期予想を最低ラインにさらに上積みを目指す。
伊藤ハム米久HDは、「(既存事業の拡大をベースにシナジー効果の追求など)上期に続いて取り組むことのほか、中計の強化分野(成長するカテゴリー・販売チャネルの強化など)として位置付けていることを、よりスピード感を持って対応して上期以上の収益確保を目指す。またWHO影響があった前年との比較ではなくプラスアルファを目指す」(宮下社長)。
プリマハムでは、「ここ数年、通期で200億円の増収を達成してきたが、ここで減収した。しかし、通期では増収を目指す」(松井社長)とし、業務用ハムソーや食肉でのオリジナルブランドの拡販に力を入れる。
丸大食品では、「下期は歳暮ギフトにかかっている。引き続き安曇野食品工房が堅調に推移する見込みで、チキン商材も好調を維持できると判断している」(百済社長)としている。特に調理加工食品でマーケット拡大へ安曇野食品工房で新ラインを増設する予定。