11月の素牛相場、黒毛続伸で83万円、褐毛は80万円台に突入
慢性的な供給不足と枝肉相場高を反映して加熱相場が続く肥育素牛価格だが、11月の全国平均取引価格も各畜種で前月から値上がりしており、和牛に関しては2~3割高で推移している。農畜産業振興機構が15日にまとめた全国家畜市場の肉用子牛の取引状況によると、11月の黒毛和種(雄・雌)の全国価格は1頭当たり平均82.9万円を付け、前月から1.1万円ほど値上がりし、4カ月連続で値上がりした。前年同月比19.6%高となり、雄雌ともに2割近い高値となっている。例年、年末に向けた素牛相場は、肥育経営が出荷後の空き牛舎を埋めるため買い気が強まるが、慢性的な素牛不足が解消されず、高止まりした枝肉相場も相まって相場を押し上げているとみられる。肥育農家にすれば空き牛舎を回転させるため高値であっても購入せざるを得ず、12月素牛相場はさらなる高唱えが展開されるとみられる。12月12日現在の取引価格も主要市場でさらに値上がりしており、全国平均では84.6万円(16.4%高)と値上がりしている。12月12日の週では鹿児島・薩摩中央家畜市場で84.7万円を付けている。
褐毛和種は黒毛和種よりも値上がり幅が大きく、11月は開市数も少なかったことで、前月から4.2万円値上がりして80万円(34.9%高)を付け、雄雌平均でついに80万円台に突入した。このうち、熊本県家畜市場では全国平均に先行する形で9月に80.3万円を付けたが、11月も前月から5.7万円値上がりして83.9万円(37.6%高)を付けている。「上場頭数自体は前年実績を維持しているものの、他県の購買者も含めた引合いが強い」(市場関係者)ため、相場が吊り上げられたかたちだ。
交雑種は前年並みの取引頭数だったが、前月から9,800円ほど値上がりして42.1万円(8.8%高)となった。ホルスタイン種も価格は1.4万円値上がりして20.7万円(15.9%安)となっているが、出回り頭数の増加もあり、価格は5カ月連続の昨対割れで推移している。