年明けうどん7年目、東西で明暗分かれる
正月元旦から15日までの間に赤い具をのせたうどんを食べる「年明けうどん」が提案されて今年で7年目となる。うどんチェーン店でも正月の定番メニューとして定着しつつあり、即席めんでも毎年カップめんが発売されている。14年末には香川県で「年明けうどん大会」が開催され、全国から「年明けうどん」メニューが集まった。CVsやスーパーでもセットめんや調理めんとして販売され、年越しそばと肩を並べる年末年始のめん需要となるか、注目が集まっている。
販促ツールの販売や商標使用の登録を管理している年明けうどん普及委員会(香川県高松市)によると、年々登録件数は増加しており、今年は682件の登録があった。14年に600件を超し、今年はさらに数字を伸ばした。12月13・14日には、高松市内で「全国年明けうどん大会」が開催され、3万9100人が来場、28ブースで全国各地の年明けうどんが300円~600円で提供された。会場には「うどん県副知事」としてPR活動を展開する俳優の要潤さんが登場、自身が考案したメニュー「要のヘルシー年明けうどん」を披露、大会後に香川県内の27店で販売された。
好調だったのは外食チェーンだ。グルメ杵屋(大阪市住之江区)は杵屋で「たこあげうどん」(単品839円税別)を販売、たこ焼きに加えてマツタケを入れて、豪華に仕上げた。「昨年と比べても伸びており、定着しつつある」とする。同じくチェーンの「丸亀製麺」では2年ぶりの年明けうどんメニューとなる「大海老年明けうどん」(590円)を発売、昨年は赤いトッピングを無料で提供していたが、今年は大海老天、かまぼこ、梅、とろろ昆布を具材にしたところ例年以上に好評となり、発売から1週間以内で売り切った店舗もみられた。外食卸の尾家産業は「ひととおり定着してきたのか、関連商材の売上は増減が少なかった」とする。
対して小売店では東西で反応に違いがあった。恩地食品(大阪府枚方市)は「年明け 梅わかめうどん」を発売したが、恩地宏昌社長は「取扱店舗が減っており、まだ定着には至っていないが継続して展開していきたい」と語る。調理めんメーカーの今里食品(兵庫県宝塚市)はきざみのあげ、紅白かまぼこ、梅干しなどを具材にした商品(298円税別)を発売したが、今里有利専務は「認知度で苦戦」とする。しかしながら採用自体が少ない中、販売したところではそこそこの数を出荷した。好調だったのはクリタエイムデリカ(埼玉県越谷市)で、梅干しと鰹節をセットにした調理めん「梅かつお」(284円)と「海老天&きつね」(379円)を年明けうどんとしてスーパーで販売、正月3が日で合わせて2万食を売り上げた。「年明けうどん」の取り組みは4年目になるが、年々売上は伸びており、小売店サイドにも年末商戦後の空白時のイベント商品とあって、「力を入れて売ってくれた」とする。小売店での定着には製販一体の協力が欠かせないようだ。