1月に即席麺価格引き上げ
▽数量減も価格改定は浸透
1月に即席麺メーカー各社は一部製品価格を引き上げた。概ね5~8%程度の水準で、袋麺の希望小売価格が100円から105円に、レギュラーサイズのカップ麺が170円から180円となるケースが多い。「反動は一定程度ある」と各社が予想していたとおり、1月の即席麺は数量ベースではある程度の落ち込みがあった。
総務省家計調査によると1月のカップ麺の購入数量は前年同月比3・4%減、平均価格は5.3%上昇し、支出金額は1・8%増となった。即席めん(袋麺)は数量が13・3%減、平均価格が8・0%高、支出金額が6・1%減となっている。一時的な数量減が起こっているが、数字上は価格改定が一定程度浸透したとみられる。KsP-sPがまとめたスーパーのPOsデータでも、価格改定の対象商品で、平均単価の上昇が確認できる。「各種コストが上がっていることは流通も理解してくれている。物流費の高騰や電気料金の上昇などは共通する悩みだ。2008年の時と比べると受け入れてもらいやすかった」との声があった。
なお、家計調査によると2008年1月のカップ麺・即席めん(袋麺)は購入数量を2桁以上落としている。この時の引き上げ幅は7~11%(製品単価で10~15円)程度のため、現状と単純比較することはできないが、2008年と比べて今回の価格改定の反動は比較的小さいといえる。特に、カップ麺は数量が下がったものの、支出金額ではプラスを維持している。
トップメーカーの日清食品は「2月までに特売価格をおおよそ示すことができた」とし、実質的な価格改定が終了したとの考えを示している。その上で、「3月は攻めていきたい」とした。3月23日には新機軸の商品「カップヌードルライトプラス」を投入。新たにユーザー層を広げる狙いだ。また、生タイプ風ノンフライ麺では「つけ麺」が東洋水産の「正麺」、日清食品の「ラ王」からも登場する。昨年、サンヨー食品が「頂」ブランドで先行した市場の再活性化が期待される。
2月には明星食品の「夜店の焼そば」の20周年記念商品が登場。3月9日から「夜店の焼そば」ブランドの新CM放映もある。「各社が市場活性化に取り組んでおり、早期に値上げの反動からは抜け出す」との見方が強い。