そうめんサミットへ4万人超 イベント定着に期待

原料メーカーや流通業も参加

5月21・22日の両日、兵庫県たつの市の赤とんぼ文化ホールで開催された「全国そうめんサミット」に約4万5,000人が来場した。手延べ麺・機械製麺などを包括した「乾めん」というテーマでメーカーや関連業者が集まるイベントが開催されるのは初めてのこと。業界向けの協議会や意見交換会が開催されると同時に、一般消費者向けには乾めんメニューのナンバー1を決定するグルメイベントを開催するなど、内外に向けて、改めて夏食材「乾めん」をPRした。初回は手延そうめん「揖保乃糸」の産地である播州で開催されたが、今後は全国の乾めん産地で開催を計画しており、イベントの定着が期待されている。

21日は全国の乾めん・手延べそうめんの産地が一堂に会する「全国乾麺産地協議会」、「大手流通問屋・製粉会社・乾めんメーカー意見交換会」、「KFC総会」、「日本手延素麺協同組合連合会春季総会」が開催され、それぞれに業界関係者ら合わせて約200人が参加した。22日は記念式典が執り行われ、サミット宣言が採択された。宣言には「全国の乾めん産地が培ってきた伝統と技術を重んじつつ、新たな商品づくりに取り組むとともに、地域資源として“乾めん”を次世代に継承発展させることにより産業の振興を図る」とあり、乾めんが地場の特産品であることを強調、官民一体となって産業を推進し、地域活性化につなげるという目標を明確にした。

一方、消費者向けイベント「乾めんフェスティバル」では、そうめんの早食い競争やそうめん作り体験のほか、色めんを使った「レインボー乾めん流し」、地元特産物販売、全国各地から37の乾めんメニューが集合、チケットについている券で投票することによりナンバー1を決定する「Uss‐1グランプリ」が開催された。200円の金券が5枚綴りになっているチケットを購入して商品と交換するスタイルで、両日とも昼過ぎには売り切れが続出、賑わいをみせた。投票の結果、地元・たつの市の関西食品工業の「たつの牛うどん」が優勝した。そのほか、食品メーカーや大手食系問屋によるコラボメニューの提案や試食などが行われた。ホール内では加藤産業、日本アクセス、国分など、卸業の展示コーナーが設置され、そば・うどん・そうめんなどの乾めん商品を陳列、乾めんに合う食材の提案が展開された。

主催はたつの市と全国そうめんサミット実行委員会、全国乾めん産地協議会となっており、開催地の生産組合・メーカーと自治体が協力して準備や運営にあたった。今後は全国の産地で持ち回り開催することが決定しており、次回は三輪素麺の産地である奈良県桜井市で開催される。第1回目の開催は関係者からも「予想外の盛況ぶり」という声があがるほどの結果になった。一般消費者へのPRだけでなく、原料メーカーや流通業者と生産者・メーカーの交流もあり、新製品開発や新たな販売戦略の展開など、業界の活性化が期待される。