大豆には研究の余地、嗜好性や調理法など課題-不二製油・京都大研究講座②
不二製油と京都大による産学共同研究講座・不二製油「大豆ルネサンス」講座の記者発表会では、趣旨説明に続いて、同社研究開発本部の廣塚元彦・本部長補佐が同講座の研究方針について説明したほか、京都大の松村教授、河田教授による大豆セミナーが開かれた。
廣塚本部長補佐は、これまでの同社による大豆たん白製品の取り組みと、大豆たん白は良質にもかかわらず、世界的にはほとんど飼料として使われている現状を踏まえ、グローバルな食素材として普及させるには、風味・嗜好性や食感・調理法などに課題があり、「ポイントになるのは各国の食文化・料理に合わせて大豆を加工して、使いやすくすることがほとんど検討されていない。逆に言えば、グローバルな食材として認められていないからこそ、まだ十分な研究の余地があり、そこに産学共同で研究する意義がある。大豆食品のレベルを上げていきたい」と述べた。
その上で廣塚本部長補佐は研究の方向性として、先端技術により加工工程による大豆の細胞・小器官の変化を捉え、解析することにより、風味・食感・健康に影響する因子の変化を詳細に検討していくことを挙げた。さらには、高感度分析機器により風味・物性を数値に変換する手法の確立と、培養細胞の利用により生理活性の変化を動物実験で検証することを挙げた。(詳細は本紙にて)