介護分野で競争促進の必要性を提言、人材不足・給付費増加に対応-公取委
公正取引委員会(公取委)はこのほど、介護分野に関する調査報告書をまとめ、喫緊の政策課題を挙げた。それによると、施設などの介護サービスの不足は、年間約10万人の介護離職者、「要介護度3」以上の特別養護老人ホーム待機者が約15万人にのぼると指摘したほか、低賃金などを原因とする介護人材不足は25年に約38万人の人手不足となり、さらに要介護者などの増加に伴う介護給付費も急増し、15年度で約10兆円が25年には約20兆円となると推計している。
その上で、公取委は介護分野における競争を促進する必要性を提唱している。その中で特別養護老人ホームの開設主体に係る参入規制では、「医療法人、株式会社などが社会福祉法人と対等の立場で参入できるようにすることが望ましい」とし、指定管理者制度では、自治体が設置する特別養護老人ホームで、「株式会社などが指定管理者となれるように、指定管理者制度を積極的に活用していくべき」と提案している。(詳細は本紙にて)