久世、外食向け展示会「FOODSERVICE SOLUTION」2022秋冬、“外食新時代”人手不足でも多様性を実現、効率簡便・SDGs・高付加価値
久世は9月13日~14日、都内で外食産業向け業務用食材展示会「FOODSERVICE SOLUTION2022-AUTUMN&WINTER-」を開催している。首都圏では外食の回復が鈍いなか、展示会のテーマを「外食新時代~多様性を効率的に~」として、深刻化する人手不足に対応する簡便商品の提案のほか、テイクアウト・中食など食事形態の変化、ビーガン・グルテンフリーなど食の嗜好の多様化、消費者のSDGsへの関心の高まりなどを踏まえた“新しい外食の在り方”の提示を目指した。
出展は175社(前回3月は177社)、212小間(同191小間)でアイテム数は3,629品(同3,622品)。JFSAの展示スペースは8小間に拡大し、PB(プライベートブランド)商品を173品(同120品)と大幅に増やして展示した。2日間で3,000人の来場を見込む。
環境の変化を〈1〉経済の変化(人件費6%増〔2017年9月比〕、小麦相場40%増〔19年12月比〕、為替相場ドル円23%安〔19年12月比〕)〈2〉消費の変化(インバウンドの消滅:訪日外国人数95%減〔19年比〕、夜から昼へ:都心繁華街の18時以降の人出40%減〔19年比〕)〈3〉ライフスタイルの変化(中食・外食のボーダーレス化:フードデリバリー市場63%増〔19年比〕、リモートワークの普及:東京都で55%に上昇〔22年6月〕)――とデータを示しながら3点に整理して、多様性・細分化が加速するなか、客数減少とコスト上昇が課題だとした。
その課題解決のため、効率簡便・環境・高付加価値という3つの観点から商品提案を行った。効率簡便のキーワードは一次加工済み・レンジアップ・仕込みいらず・包丁いらず・解凍するだけ――。環境はSDGs 対応商品として、プラントベース・小ポーション・バイオマスプラスチック・ミールキット――をキーワードとした。高付加価値=高収益商品として、酒類飲料・プロトン凍結・オーガニック・オリジナルカスタマイズ――を挙げた。テーマパネルと各社新商品の展示から最初に設けたブースが「プラントベースフード」だ。あづまフーズのこんにゃくで作った冷凍の「まるで魚シリーズ」、森永製菓の1枚肉タイプのブラントベースミート「SAI MEAT(サイミート)」等を紹介した。
久世の独自提案ブースではメニュー提案として、人手不足・人材確保難・人件費高騰が課題となっている外食業界に対して、作業性を考慮したメニューを、モクテル(ノンアルコールカクテル)・効率簡便・SDGs の軸で提案。SDGs の観点からは「ベジミートボールのおろしニンニク醤油だし煮」や、まるで魚シリーズを使用した海鮮ちらし寿司などを提案した。
ミールキットの「メイキット」、デザートの「ドルチェーゼ」も人手不足・食品ロス対策にもつながるPB 商品だ。「メイキット」は今春立ち上げてEC で展開している。ノウハウを蓄積している段階だが、今秋は新たに、冷凍肉、調味料をパーツごとに販売する「ポーションパックシリーズ」の展開を始めた。
グループ会社のキスコフーズもポーションタイプの展開を強める。新たにレンジ調理の個食パック商品を17品発売。コーンポタージュなど定番や野菜を食べる「ズッパ」などのスープ、「ヒトサラ」シリーズとして、「ポトフ」「ビーフシチュー」、リゾット類を展開する。グループの旭水産はプロトン凍結シリーズの高品位な商品を中心に紹介した。
〈日常食としてJFSA 商品を積極展開〉
JFSA(日本外食流通サービス協会)商品は“日常食”の位置づけとなる。JFSA のPB 商品を関東で取り扱えるのは久世だけ、とアピールし、売上No.1の「イカリング唐揚げ」など売れている商品のほか、価値訴求できる「わらび餅」など多種多様な商品を、試食とともに紹介した。DX 認定を目指して取り組む、KUZEX(クゼックス)の紹介も行った。LINE を使った発注システム「TANOMU」と顧客のコミュニケーションの仕組みをもつCRM(顧客関係管理)ツールとして、顧客の利便性向上を図る。
〈冷食日報2022年9月14日付〉