堂島取引所 上場申請の貴金属市場が農水・経産認可、コメ先物には「“堂島”冠するものとして取り組む課題」
(株)堂島取引所(村田雅志社長)は1月16日、上場申請していた貴金属市場が農林水産大臣と経済産業大臣の認可を受けたことを発表した。
同日の記者会見で村田社長は「現在は取引のない状態が続いているが、まずは貴金属市場の取引から再スタートを切りたい。特に一部から要望の声が非常に強いコメ先物の再開、農産物・砂糖市場の再活性化への努力を続けなければいけない。クリアすべき課題は多いが、関係者の助言をいただきながら一つずつ達成していきたい」などと意気込みを述べた。
さらに記者からコメ先物への想いを訊かれると「当社の社名は、歴史ある『堂島米会所』から命名した。世界で初めて先物取引が生まれた伝統やプライドを後世に引き継ぐものとして受け止め、次世代に繋げるためにもこの取引所をより多くの方に使っていただきたいという想いがある。やはり『堂島』という名前を冠するものとしてコメ先物は取り組むべき課題の一つだ。残念ながら2021年に不認可となってしまったが、さまざまなご指摘をいただいた。挙がってきた課題を短時間で解決することは難しいが、行動しなければ再開することもできない。また、主要農産物であるにも関わらず公的な場所での価格形成機能が存在しないこと、コメ先物のニーズはあるのに具現化する場所がないこと――をこのままにして良いのかとも思う。その点も踏まえ再開に向けて努力をしていきたい」と答えた。
また、同社の知名度向上については「『堂島米会所』から始まったコメ先物など、当社にまつわる歴史もアピールする必要がある。従来からお取引がある企業のほか、大学や研究機関などとも交流を深め知名度向上に努めていきたい」などと新たな取り組みについても述べた。
〈米麦日報2023年1月18日付〉