冷食「旅ごはん」シリーズ、機内食メーカー“双日ロイヤルインフライトケイタリング”が市販展開、家庭で海外旅気分を

双日ロイヤルインフライトケイタリング「旅ごはん」シーフードパエリア
双日ロイヤルインフライトケイタリング「旅ごはん」シーフードパエリア

〈新型コロナ機に市販用冷食を販売、新たな事業の柱に〉

関西、福岡、沖縄の国内3空港を拠点に機内食を製造する双日ロイヤルインフライトケイタリング(以下SRIC、本社:大阪府泉南市、長尾権一社長)は、2022年7月から市販用冷凍食品市場に本格的に参入している。販売する商品は「旅ごはん」シリーズ(計12アイテム)。

1951年から70年以上にわたって手掛けてきた世界各国の機内食メニューのレシピを持つ強みを武器に、家庭に居ながら海外の旅気分を満喫できるとして、発売から半年、都市圏の量販店やEC市場などで取扱いが広がっている。

新型コロナウイルス感染症の影響で国際線需要が打撃を受けるなか、打開策として誕生したシリーズだが、今後は本業である機内食事業とともに、同社の強みを生かした特徴ある市販用冷凍食品や業務用冷凍食品も事業のひとつとして注力していく方針だ。

SRICは現在、関西国際空港、福岡空港、那覇空港に工場を展開し、約50社のエアライン向けに数多くの機内食を開発・製造している国内最古の機内食会社の一社だ。SRICの「旅ごはん」シリーズは、長年にわたって蓄積してきた世界のエアラインの機内食メニューのなかから、各国を代表するメニューあるいは海外旅行でしかなかなか味わうことができないメニューを選定している。植物肉「NIKUVEGE(ニクベジ)」を使用したメニューもラインアップに加えるなど、食のトレンドをいち早く取り入れている。

現在は、アジア・リゾート、米州、欧州の3つの地域をテーマに、それぞれの国・地域を代表するメニューをラインアップ。「アジア・リゾートメニュー」では、ロコモコ(ハワイ)、魚介炒麺(中国)、チキンビリヤニ(インド)を、「米州メニュー」ではケイジャンチキン(米国)、ポークバーベキュー(米国)、チキンサルサ(メキシコ)、「欧州メニュー」からはシーフードパエリア(スペイン)、北欧風ミートボール(スウェーデン)、シーフードモルネソース(フランス)をラインアップしている。

チキンカレーとスパイスで炊き込んだバスマティライスを混ぜて食べる「チキンビリヤニ」など、一般的な冷凍食品ではお目にかかれない本格的なインド料理を味わうことができるのも、世界各国の機内食メニューを手掛けてきたSRICならではの特徴といえる。

さらに、ユニテックフーズと植物肉事業に関する戦略的業務提携を結ぶ双日グループの連結子会社の関係を生かし、Tastable(ユニテックフーズ子会社)が開発・販売する植物肉「NIKUVEGE」を使った、NIKUVEGE そぼろと茄子のパスタ(イタリア)、NIKUVEGE そぼろのキーマカレー(インド)、NIKUVEGE 和風ハンバーグ(日本)も加えている。

2023年3月からは、新たに「シンガポール風チキンライス」「ジャンバラヤ」「チキンフリカッセ」「NIKUVEGE そぼろの四川風麻婆豆腐丼」の4品も追加販売する予定だ。

新商品は、顧客の声を反映し、麺メニューよりも、しっかりと食べ応えのあるおかずやコメ中心としたメニュー構成となっている。主なターゲットは一人暮らしや家族世帯の女性。レンジアップのみで本格的な食事を簡単に準備することができるよう、袋から取り出し、蓋が付いたまま電子レンジで温める簡便調理冷凍食品となっている。

大空のブルーを基調に、旅客機をデザインした旅気分を演出するパッケージも、多種多様な商品が品揃えされる量販店の冷凍食品コーナーのなかで、独自性を際立たせている。「旅ごはん」シリーズは、2021年7月に地元関西の百貨店等での催事向けにスタートし、2022年7月に現在の市販小売用商品としてリニューアル、関東エリアの量販店のほか、自社オンラインショップをはじめとしたEC市場でも取扱いが広がっている。EC・ギフト向けに1セット6個入りのネット販売向けギフトセットも用意している。

航空需要が回復しつつあるなか、SRICの機内食工場にもエアライン各社からオーダーが増えている状況にある。それでも「旅ごはん」シリーズを中心とした市販用冷凍食品をはじめ、ホテル・カフェなど業務用冷凍食品、小売用常温商品(空弁、BOXカツサンドなど)といった、機内食以外の商品も新たな事業の柱として力を注いでいく方針だ。

〈冷食日報2023年1月23日付〉

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近年の冷凍食品をめぐる情勢は、共働き世帯の増加や家族構成の変化、また飲食店や量販店の惣菜売場の多様化によって需要が増加しています。一方で、家庭用冷凍食品の大幅値引セールの常態化はもとより、原料の安定的調達や商品の安全管理、環境問題への対応など課題は少なくありません。冷食日報ではこうした業界をめぐるメーカー、卸、そして量販店、外食・中食といった冷凍食品ユーザーの毎日の動きを分かりやすくお伝えします。

創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
体裁:
A4判 7~11ページ
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