はくばく「まるで白米!」なもち麦を3月発売、質を重視した“主食改革”宣言、雑穀の提案型展開で選ぶ楽しみを
(株)はくばく(山梨県中央市、長澤重俊社長)は3月1日、「白米好きのためのもち麦」を全国発売する。
“まるで白米!白米のように仕立てたもち麦”をコンセプトに、国産もち麦を白米さながらの見た目と食感に加工した商品。300g(50g×6包)の個包装タイプ(税抜450円)と500gのチャック付きタイプ(690円)を展開する。
発売に先んじて、1月25日に都内で「はくばくプレス発表会~主食改革を宣言~」を開催。長澤社長による“主食革命”や新商品のプレゼンのほか、大妻女子大学家政学部食物学科の青江誠一郎教授による講演、さらにゲストにタレントの横澤夏子さんを迎え、トークセッションを行った。
〈“主食改革”宣言〉
長澤社長はまず「現代の日本は『生活者の多様化する食生活』と『米に関する社会課題』という2つの課題を抱えている」と提起。年齢とともに変化する体型・体調への配慮、育ち盛りの子どもや体型が気になる子ども――といったように食生活へのニーズが多様化しており、それらは「主食を見直すことで解決できるのではないか」と述べた。
一方で、米に関する社会全体の問題について「米はおいしいが、おいしいが故に食べすぎてしまうこともある。それが生活習慣病の原因の一つという認識が広がり、現在は低糖質ブームになっている。米を控える空気が漂っているのではないか」とした。
そして「これらの問題を解決するのが(大麦も含めた)雑穀」と述べた。「もち麦ごはん茶碗1杯(150g、白米1合にもち麦50gを配合)では2.3gの食物繊維を摂ることができる」「主食の質を見直し雑穀を混ぜることで、白米を食べたい人がたくさん食べられるようになる。思い返せば白米のみで食べるようになったのは、ここ80年の出来事。白米だけで食べない(=雑穀を混ぜる)食文化の復活を健康への寄与だけでなく、自給率向上や水田の維持といった社会全体の問題の解決に繋げていきたい」などと雑穀の可能性を語った。
“主食改革”の具体的な取り組みとしては、量販店や外食店での展開・病院食への導入・自治体との連携などを挙げる。今後の目標は「2025年までに市場を1.7倍、2027年までに2倍にすること。現ユーザーの利用頻度アップや潜在顧客の獲得に努める」とした。
〈新商品概要〉
説明者は商品戦略部の金沙織氏。「健康面から糖質が多いことを理由にご飯を控えることがある割合は半数以上」「ご飯を好きなだけ食べたいと共感する割合は7割」などの同社調査から、はくばくは「おいしく、気持ちよく、お米を食べてもらいたい」という想いを掲げている。ただ雑穀は「家族が嫌がる」「白米が好き」といったハードルが高く、それを解決すべく開発したのが今回の商品。
金氏は「“麦を白米のようにおいしく食べてもらいたい”という創業当初からの願いが詰まった商品」とした。開発は「粘りが強いもち麦はうるち麦と同様の工程を加えることが出来ず、しかも削る工程で割れやすい。当社の加工技術を総動員し、削り時間や方法を分析、0.01mm単位まで調節した。また、加工に最適な品種を国内外から約20品種取り寄せて選定した」。
さらに今後の戦略として「雑穀の種類の豊富さを楽しんでもらう提案型の売り場づくり」を掲げた。消費者がニーズに合わせて選択しやすいよう、量販店向け雑穀製品15品のパッケージを全面リニューアル。分かりやすい文言を載せ、ブランドカラーの赤を施した。
〈米麦日報2023年1月27日付〉