2023年節分を前に消費者庁が注意喚起、硬い豆やナッツ類「5歳以下の子どもには食べさせないで」

節分の豆と鬼の面
節分の豆と鬼の面

消費者庁は2月3日の節分を前に、豆まきで使われる大豆などによる子どもの窒息や誤嚥(ごえん)リスクについて注意を呼び掛けている。

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主に0歳~小学校入学前の子どもの思わぬ事故を防ぐための注意点や豆知識を届けるメール配信サービス「子ども安全メールFrom消費者庁」の「Vol.617 節分は窒息・誤嚥に注意! 硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで!」(1月24日、消費者庁サイトに掲載)によると、消費者庁・国民生活センターには、豆やナッツ類での窒息や誤嚥(食べ物または異物が気管に入ること)による、以下のような事故の情報が医療機関から寄せられた。

◆「乾燥豆3個を食べた時にせき込み、5分後にかみ砕いた豆とともに血を吐き出した。病院を受診し、検査では明らかな症状と所見は認められず、誤嚥の疑いと診断された。」(2歳)

◆「上の子が食べていた枝豆を欲しがり、5~6粒を頬張ったところ、激しくせき込み始めたため救急受診した。気管支異物の存在を疑いCT撮影したところ、左気管支に異物を認めた。集中治療室にて全身麻酔下で枝豆1/2粒を除去した。約1週間後に退院となった。」(1歳)

◆「ピーナッツ味噌を4~5粒食べ接種後むせこみゼイゼイ音がしていた。緊急気管支鏡下気道異物除去術を行い5日間入院。」(4歳)

◆「アーモンドを子どもに食べさせていた。口内に残したまま歩行中、もっと欲しがって泣いたところ、むせて咳き込んだ。その後もゼイゼイした感じがあり受診した。右気管支異物により入院6日間。」(2歳)

奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではない子どもは、硬くてかみ砕く必要のある豆やナッツ類などを、のどや気管に詰まらせて窒息したり、小さなかけらが気管に入り込んで肺炎や気管支炎を起こしたりするリスクがある。また、物を口に入れたままで、走ったり、笑ったり、泣いたり、声を出したりすると、不意に吸い込んでしまい、窒息・誤嚥するリスクがある。消費者庁では以下の注意・対策を呼び掛けている。

◆硬くてかみ砕く必要のある豆やナッツ類は、5歳以下の子どもには食べさせないでください。

◆節分の豆まきは個包装されたものを使用するなど工夫して行い、5歳以下の子どもが拾って口に入れないように、後片付けを徹底しましょう。

◆兄姉がいる家庭では、兄姉が豆やナッツ類を食べている際、5歳以下の子どもが欲しがっても与えないようにしましょう。

◆食べているときは、姿勢をよくし、食べることに集中させましょう。泣いている時に食べ物を与えるのもやめましょう。

窒息や誤嚥は、豆やナッツ以外にもさまざまな食品で起こる。丸くてつるっとしたもの、粘着性が高く飲み込みづらいもの、かみ切りにくいものなどは、特に注意が必要だという。消費者庁では以下の事例を紹介している。

◆「外食後におまけでもらった約1cmの丸い飴を子どもに食べさせた。子どもが歩きながら飴を食べていると急にむせ出したため、保護者が背部叩打法等を行ったところ、唾液を吐き出した後に飴が出てきた。」(1歳)

◆「白米と海苔を食べていた時に、口に入れすぎてむせて苦しがっていた。5分ほど寝たが、苦しそうだったため病院を受診。白米と海苔が鼻の奥に残っている状態だった。」(1歳)

節分には恵方巻を食べる習慣も広がっているが、海苔もかみ切りにくい食品の一つだ。

「具材の中には、普段食べなれていないものも入っていることも考えられます。小さな子どもが口に詰め込む状況にならないように、小さく切り分け、飲み物も用意した上で、落ち着いてよくかんで食べられるように工夫しましょう。ご家庭以外の外食、地域や施設のイベント等でも同じように注意してください」(消費者庁)。

14歳以下の子どもの窒息・誤嚥事故原因(消費者庁公表資料、平成26年~令和元年までの6年間分の人口動態調査の情報に基づく分析)
14歳以下の子どもの窒息・誤嚥事故原因(消費者庁公表資料、平成26年~令和元年までの6年間分の人口動態調査の情報に基づく分析)

◆消費者庁公式サイト内 子ども安全メール「Vol.617節分は窒息・誤嚥に注意! 硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで!」