「異次元の少子化対策の1つに給食無償化を」/学校給食用食品メーカー協会・山木会長
国内の学校給食用食品製造に関わる企業33社が加盟する学校給食用食品メーカー協会は1月26日、東京・文京区の椿山荘で講演会及び新年祝賀会を開催した。文部科学省はじめ関連諸団体、会員メーカー合わせて約60名が参加した。
講演会の冒頭、山木一彦会長(理研ビタミン社長)は「原料価格の高騰はかつてないレベルになり、多くの市町村で給食費に無理が出てきているのではないだろうか。そのような中、青森県青森市や千葉県市川市では、給食の無償化の動きが出てきているが大いに歓迎したい。おいしくて栄養価が高く、地産地消で、食育も加味した給食を保護者負担で未来永劫継続するのは難しいと思う」と見解を示した。
また、「学校給食は成長期の児童・生徒にとって重要な役割を担っており、子どもたちが毎日楽しみにしていることを考えると、行政と関係業界が頑張って質の充実を図るとともに、家庭の負担軽減も考えていかなければいけない。岸田文雄総理が言う“異次元の少子化対策”として、給食の無償化に目を向けてもらえたら」と期待をかけた。
加えて、「協会のホームページをさらに使いやすく、見やすく改善し、栄養教諭・学校栄養職員の皆さんにとって便利なサイトにしていきたい。今年も文科省、農水省、関係諸団体と連携しながら、“チーム学校給食”の一員として、学校給食の向上に努力していく」と抱負を語った。
〈学校給食費が小学校・中学校ともに過去最高額に〉
学校給食費は1月27日に文科省が発表した「令和3年度学校給食実施状況等調査」によると、小学校が全国平均月額4,477円で対前回調査(平成30年度)上昇率は3.1%、中学校が5,121円で3.6%と増加しており、いずれも過去最高額となった。
調査対象は完全給食を実施する公立学校。この調査における学校給食費月額とは、保護者の年間負担額の全国平均月額(年間負担額を11ヶ月で除した額)を意味する。なお、調査期日は令和3年5月1日で、ウクライナ情勢や世界的なエネルギー費の高騰などを起因にする物価高騰が原因のものではない。