【大豆ミートの最前線】大塚食品「ゼロミート」約2倍に拡大、冷食新商品は「ゼロミート」ハンバーグ・餃子など3品
大塚食品の「ゼロミート」シリーズの出荷ベースでの2022年度(22年1~12月)実績は、2021年から約2倍に拡大した。市販用と業務用はほぼ半々の構成比だが、複数の外食チェーンに全店でのメニュー採用が進んだ業務用が著しく伸び、市販用も約2ケタ増と好調だった。
製品部の伊藤征樹食品担当部長は、「おいしさにはもちろん自信があるが、それは大前提で、SDGsが浸透する中で、健康や環境といった課題を解決したい企業に、当社のブランドやパーパスを共感してもらっていると実感している」と好調の要因を語る。
大塚食品は2022年、日本で初めて「大豆ミート食品類JAS」の認証を取得し、順次JASマーク付き商品に切り替えた。
「大豆ミートはまだ新しい食品だが、信頼できるおいしい商品だという啓発活動に取り組む」と語る。
2023年度の「ゼロミート」の販売戦略について、「市販用は昨年秋口以降にラインアップを強化した。好調カテゴリでもある冷食の新商品3品でタッチポイントを増やしていく。業務用は引き続き取り組みを強化する。また、外食向け営業部隊であるFC部の体制も強化した。外食チェーンのメニュー採用は増える見込み」と説明する。
〈さまざまなところでタッチポイント増やし、新しい食のカテゴリ形成を目指す〉
新商品として、冷凍の「ゼロミート鉄板焼きハンバーグプレーンタイプ」、「ゼロミート鉄板焼きハンバーグチーズインタイプ」、「ゼロミート餃子」を投入した。「ゼロミート」シリーズのターゲットであるZ世代と30~40代のその親世代の食卓には、ハンバーグやハム・ソーセージ、餃子などは好まれるラインアップだといい、手軽に調理できることも訴求する。
「鉄板焼きハンバーグ」はソースで味付けをしていない。和風ソースをかける、ベジカレーの具材に使うなど、自分の好みでアレンジして食べたいというニーズに対応しているという。また、餃子は親子で楽しめる食材で、売場ではヘルシーコーナーも少しずつ増えており、環境・健康意識が高まってくると予想している。
大塚食品は「ゼロミート」というブランドで展開しているのが他社と差別化した取り組みだ。スーパーの代替肉コーナー、総菜、チルド、冷食の各売場、外食チェーンでもレストランやベーカリーなど、さまざまなところでタッチポイントをつくっており、新しい食のカテゴリ形成を目指している。
〈大豆油糧日報2023年2月15日付〉