三育フーズ「ヴィーガンバーグ」発売へ、植物性ハンバーグをレトルトで手軽に、“ダニエルラボ”ブランド第3弾
三育フーズは4月3日、自社ECサイトなどで直販限定の「ダニエルラボ」ブランド第3弾となる「ヴィーガンバーグ」を新発売する。
乳や卵も不使用の植物性のハンバーグで、日本ヴィーガン協会のヴィーガンマークを取得し、味の面では同協会の室谷真由美理事長の監修を受けて開発した。
三育フーズは2022年6月、ヴィーガン規格にこだわった新ブランド「ダニエルラボ」を立ち上げ、第1弾として卵乳不使用の「ヴィーガンハム」を、第2弾として乾燥大豆ミートの大豆臭をマスキングできる有機しょうゆ加工品「ニックポック」を発売した。
メインディッシュにもなる「ヴィーガンハム」、淡白になりがちな植物性食品を調味料でおいしくする「ニックポック」に続き、「ヴィーガンバーグ」は、レトルトで手軽に食べられることをコンセプトにした新商品だ。業務用でも4月3日から15個入で販売開始する。
三育フーズは以前、ヴィーガン仕様の「七種野菜の全菜(ぜんさい)バーグ」という、同社初となる卵を使わない純菜食対応のハンバーグを発売している。発売当時は、ヴィーガン規格のハンバーグが市場で先駆けだったこともあり、卵乳菜食として知られていた「三育フーズ」ブランドの「野菜大豆バーグ」との違いをうまくプロモーションできなかったという。ヴィーガン対応も現在ほど求められていなかったこともあり、一旦終売となった。
今回、「ヴィーガンバーグ」の開発にあたっては、動物性を再現した油脂など、ヴィーガン仕様の原料が以前よりも開発されていることから、一部の原材料を工夫し、より肉感のあるパテに改良した。ソースもベースは「全菜バーグ」に近いものとなっているが、ふんだんに使うことでリッチ感を出し、砂糖は甜菜糖に変更した。三育フーズは「ヴィーガン対応食品が注目される時代になり、再度、期待に沿えるように開発した」としている。382円税別と、直販でできるだけ求めやすい価格設定にした。
主力の「三育フーズ」ブランドの2022年の実績は、若干下回って着地したという。大豆ミートの競合商品が増えたことや素材系のレシピ提案が不十分だったことを要因に挙げる。2021年まで3年連続2ケタ増だった大豆バーグシリーズなどのレトルトパウチカテゴリも、ほぼ横ばいとなったという。
平尾正弘社長は、「常温品はローリングストックの機能を提案することも考えている。災害時のたん白源には冷凍や冷蔵の商品では難しいが、常温だと温めないでもそのまま食べられる。啓発活動を行っていき、常温品のバラエティはきちんと確保したい」と今後の展開について述べる。
〈「植物生まれのホワイトソース」、カシューナッツで添加物不使用を実現〉
さらに4月3日、「三育フーズ」ブランドから、動物性原料不使用の「植物生まれのホワイトソース」を発売する予定だ。
原材料はシンプルで、有機カシューナッツ、玄米粉、塩、香辛料、菜種油のみ。三育フーズは「乳製品を否定するわけではないが、不使用の製品も望まれると考えた」といい、2016年から開発をスタートした商品だ。当初は豆乳で試作したが、添加物を使わずに動物性のような味わいを表現するのは難しかったという。
元々、ヴィーガン食ではナッツを取り入れることを推奨しており、乳の代わりにカシューナッツが使われているという情報を三育フーズは持っていた。カシューナッツでホワイトソースを再現することに取り組み、味や物性の問題を解決した上で、添加物不使用も実現した。三育フーズは「当社のノウハウを注ぎ込んだ自信作だ」と強調する。限界まで価格を下げる努力をしたとしており、350円税別で販売する。
プラントベース(植物性)のホワイトソースは、豆乳ベースのものはあるが、カシューナッツを用いた商品は同社が調べた限り市場にないという。平尾社長は「十分に準備した上で発売するので、味の部分を見てもらいたい。何も言わなければ、動物不使用のホワイトソースだと分からない」とその再現度の高さに胸を張る。
〈大豆油糧日報2023年2月20日付〉