オーストラリアNo1植物肉「v2food」試食会開催、 肉らしい味わいや調理時の音まで再現
v2food社(シドニー)が製造する豪州ナンバーワンのプラントベースミート(PBM)「v2food」のメディア説明試食会が、3月2日にオーストラリア大使館で開催された。
PBM「v2food」は、伊勢丹新宿店が3月15日~29日にかけて食品フロアで開催するオンリー・エムアイキャンペーン「進化が止まらない!注目の次世代フード」フェアに参加する7店舗で採用されている。会場ではそのうち3メニューの試食が行われた。
V2food社は、豪州の国立科学機関CSIROの科学者とともに肉の成分を徹底分析し、大豆から取り出したたん白質を肉のように変える方法を研究・開発した。「v2food」は、従来のフレーバーをマスキングする方法とは異なる構造レベルでの肉の味の再現に成功したPBMだという。日本では2020年12月にバーガーキングのPBMに採用され、以降はオザックス(東京都千代田区)が輸入総販売代理店となっている。
開催にあたって、エリザベス・コックス商務公使があいさつし、「v2foodが日本に上陸して3年目になる。CSIROが主導する豪州の革新的な技術によって、将来を見据えたおいしいPBMを開発した。豪州は長年、多種多様なスタートアップ企業への投資も行っている。v2foodはその1つだ。当国の素晴らしい技術や商品開発を日本に紹介でき、豪州のことを知ってもらう機会となれば幸いだ」と述べた。
〈調理した時の焼ける音や口の中に広がる油の風味を再現、次世代のPBMと強調〉
v2food社のセールスディレクター、クリス・コバーン氏はv2food社について、「当社は、動物由来の肉に変わるバージョン2の商品を開発することを考えて立ち上げた。2019年に設立するにあたり、さまざまなパートナーとコラボし、豪州の国立科学機関CSIROの技術や知見、大手外食チェーン、ジャック・コーウィンのネットワークを活用して誕生した。初めて商品化したのはバーガーキングのPBM『レベル・ワッパー』で、これまで世界で2,000万食の『v2バーガー』を販売している」と紹介した。
v2food社は豪州のPBM市場でトップシェアを獲得している。「北米のインポッシブル・バーガーやビヨンド・ミートが進出しているが、その2社を合計した売上をさらに倍以上上回っている。おいしい商品であり、手頃な価格帯によって実現できている。世界展開では、アジアを中心に広がっており、今後は欧州や北米への拡大も予定している」と展望を語った。
「v2food」の製造プロセスのポイントを3点挙げた。「1つは、農家に高品質な大豆を提供してもらっている。2つ目に、CSIROが開発している特殊技術を用いることで、大豆特有の味や食感を残さずに、たん白質だけを抽出することに成功している。3つ目は、豪州の食肉業界と連携している。工場や製造ラインを持たず、既存の加工ラインを利用することで、低価格で効率良く商品を製造できている。加速度的な拡大も可能になる。製造ラインは徹底して洗浄し、動物性のコンタミを防いでいる」と説明した。
他社商品との差別化ポイントとして、「一般的な大豆ミートは、大豆そのものの味や風味を隠すために味つけをしており、生でも調理した場合でも味と風味が同じになる。当社の商品は、大豆の食感や風味を残さず、肉らしい味わい、風味を楽しんでもらえる。調理した時の焼ける音や、食べる時に口の中に広がる油の風味を再現できるように技術を駆使しており、いわゆる次世代のPBMになる」と強調した。そのうえで、「大事なのは各国の食文化に合った商品を提供することだ。アジア独特の食品や和食に利用できる商品も開発しており、牛肉や豚肉、鶏肉を再現した加工食品も提供している」とした。
今後については、「『CHANGE ONE MEALキャンペーン』を開始する。食生活を完全に変えてもらうのではなく、時々1食置き換えることを提案するものだ。日本ではすでに飲食店で『v2food』が採用されている。小売向けではグリーンカルチャーのECサイトで販売しており、拡大していく。『おいしい食事のために地球を犠牲にしない』をモットーに、『v2food』を発信していきたい」とした。スーパーやコンビニなどでの販売も視野に入れており、日本では牛肉と同じ価格帯での販売を目指すとしている。
〈畜産日報2023年3月3日付〉