「サッポロ ニッポンのシン・レモンサワー」発売、「新・定番食中酒」テーマに開発/サッポロビール

「サッポロ ニッポンのシン・レモンサワー」
「サッポロ ニッポンのシン・レモンサワー」

サッポロビールは3月22日、「サッポロ ニッポンのシン・レモンサワー」(350ml缶/153円、500ml缶/税抜208円、アルコール分5%)を発売した。

「新・定番食中酒」を戦略テーマに掲げ、ポッカサッポロフード&ビバレッジと協働開発。“レモンのプロ”の知見を生かし、ポッカサッポロオリジナル素材「混濁果汁」と「クリア果汁」の良いところをあわせ持った、ほどよいコクのある「セミクリア果汁」、苦味が弱くジューシーでコクのある味わいが特徴の「レモンピューレ」を使用。ジューシーでレモンそのままよりも爽やかなおいしさを実現した。

サッポロビールでマーケティングを担当した黒柳真莉子氏は「サッポログループの資産を活かして、当社にしか作れない新しいレモンサワーが開発できた」と話す。

マーケティングを担当した黒柳真莉子氏
マーケティングを担当した黒柳真莉子氏

〈レモンサワーを選ぶ際の消費者の「迷い」に着目して開発〉

黒柳氏は昨今の缶チューハイ市場を俯瞰し、「昨今はレモンフレーバーの缶チューハイが多く発売されており、消費者の中にどれを選べばよいのか迷いが生じている」と課題を挙げる。

それに対して「“迷わず選べるレモンサワー”がコンセプト。改めてレモンサワーにどういった味わいが求められているのかを調査し、日常的に気兼ねなく、カジュアルに飲める商品づくりを目指した」とする。そのため同社の「サッポロ 濃いめのレモンサワー」や「キレートレモンサワー」、「レモン・ザ・リッチ」といったわかりやすい特徴を持つ商品とは異なり、普遍的に求められる、飲み飽きない“真ん中”のおいしさを追求したという。

商談での反応は「レモンの果実感やすっきりした味わいが評価されている」。商品コンセプトにも共感を得られたという。「“あれこれ悩まなくても良い商品”と打ち出した商品だが、“ポッカレモン100”を有し、レモン果汁では圧倒的な存在感を確立しているポッカサッポロとの協働開発商品である点で、小売業様から信頼を得ることができたのではないか」。

〈協働開発はレモンサワーの「新たな定番」「本質的な価値」を実現するため 〉

実は2023年は両企業がグループ企業となり、事業を開始して10周年の節目でもある。10年経って初めての協働開発商品となったが「協働開発を行うにあたってこれまで特に障壁は無かったが、商品戦略上お互いが協働開発という手段を求めていなかった。既に発売している“レモン・ザ・リッチ”も協働開発ではないにせよポッカサッポロのオリジナル素材を使用していた」とのこと。

今回は「レモンサワーの本質を追求し“迷わず選べるレモンサワー”“新しい定番”を実現する必要があり、その手段として協働開発は必須条件だった」「サッポロビールとして今回の協働開発を通じて、理想的なレモン感を実現する上でのレモン素材の活かし方やレモン果汁の濃淡の塩梅などさまざまな知見が得られた」とする。

「今後もポッカサッポロ社との協働開発商品を発売する予定はあるのか」と聞いてみたところ、「直近でその予定はない」としたうえで「このブランドの派生商品などを発売する場合は、協働開発をすることとなる」と語った。

〈プロモーションは同社缶チューハイ最大規模のTVCMを出稿予定〉

プロモーションについては「(サッポロビールの)缶チューハイとして最大規模のTVCMの出稿を予定している。ターゲットを絞り込むのではなく、幅広い層にアピールするプロモーションを実施していく」とする。

ほかにも「リアルな接点でのサンプリングや、TVCMとリンクした売り場作りを大々的に展開していく」と話し、3月6日から13日までTwitterで「迷わず選べる『シン・定番』レモンサワー!名前を当てたら新商品が当たるキャンペーン」を実施した。

〈CMキャラクターには俳優・松重豊さん起用、レモンサワー選びで「迷える羊」に〉

TVCMは3月22日から全国で放映しており、あまりに種類の多いレモンサワー売り場で“迷える羊”となった松重豊さんが登場する。「ニッポンのシン・レモンサワー」を飲み「(こういうのがやっぱり)うめぇ~」とおいしさを表現する。

立派なツノやウールの巻き毛というビジュアルと、本物の羊の鳴き声と聞き間違えそうなほどの見事な演技力で“迷える羊”になりきった松重さんが、レモンサワー選びに悩む人々の気持ちと飽きのこないおいしさを、コミカルに見せるCMに仕上がった。

〈酒類飲料日報2023年3月22日付〉