冷凍自販機「FROZEN STATION」大型容器サイズの新型投入、成功事例の紹介も/富士電機

富士電機「FROZEN STATION(フローズン・ステーション)」
富士電機「FROZEN STATION(フローズン・ステーション)」

飲食店以外での導入が進みつつある冷凍自販機。「FROZEN STATION(フローズン・ステーション)」を販売している富士電機では、これまで自販機を導入していなかった大手企業など、複数台の導入が見込める場所への提案を強めているという。食品流通本部ソリューション部の土屋裕司部長と、山本慶太課長に話を聞いた。

富士電機食品流通本部ソリューション部の山本慶太課長(左)と、土屋裕司部長(右)
富士電機食品流通本部ソリューション部の山本慶太課長(左)と、土屋裕司部長(右)

――冷凍食品の市場についてどう感じるか。

(土屋)急速冷凍や過熱処理、解凍技術などの進化で、冷凍品は広く普及してきている。手軽に美味しい食事をとれることも認知され始めている。そこで支持を得たのが冷凍自販機だ。需要は着実に伸びており、ラーメンや餃子などの個人店を中心に広がった。大手企業からの引き合いも出ており、より存在感は増していくだろう。注文の台数も、単品ではなく、複数単位での注文も出ており、今までとは流れが大きく変わった。

冷凍自販機が活用されたのは、他にはない商品を販売していることが大きいと思う。自店で作っている料理などを冷凍している店舗が特に分かりやすいのでは。自販機を検討している大手企業でも、冷凍自販機で販売を検討している商品は、スーパーなどに卸していないもの。冷凍自販機で売っている商品は500~1000円ほどが多い。冷凍自販機で売るならば、高付加価値品か、既存品の大容量商品などになるのでは。

――「FROZEN STATION」の販売の現状は。

(山本)構想はコロナ以前からあり、検討はしていたが、開発の優先順位の調整で2022年にようやく発売できた。当初はコンビニの店頭などでの採用を想定していたが、コロナ禍に大きく需要が変わり、補助金を活用した中小の飲食店などで多く導入してもらった。

(土屋)「FROZEN STATION」は2022年に投入し様々な所で活用いただけた。2023年1月には大型容器サイズに対応した新型の「FROZENSTATIONⅡ」を投入した。すると、冷凍自販機の導入を検討されている方が当社の自販機を検討してくれるようになるなど、反応は明らかに変わった。商談の件数も非常に増えている。

――現在の販売戦略は。

(土屋)拡販に向けた様々な提案を進めている。個店への提案と共に、複数台を導入していただけるところにも訴求したい。

――自販機の市場は今後どうなると見ているか。

(土屋)飲料の自販機と同じように、商品の補充などすべてを請け負うフルオペレーションでの対応が必要になるだろう。今は商品を自社工場や店舗で作り、自分達で補充するという使い方が多い。中には代理店などから商品を購入して、商品を詰めるのは管理している企業、という所もある。ただ、大手への導入をより進めるのであれば、冷凍の配送網をしっかりと構築する必要が出てくると思う。自販機自体も故障時の対応ができるようシステムの更なる改善も進めている。

――今後の動向展開は。

(土屋)冷凍品自体まだまだ伸びると思う。今後台数を増やすならば、より管理しやすいような状態を作る必要もある。また、販売データを活用し、場所や時間などで売れる商品を紹介できるようにしたい。冷凍自販機で売っている商品に、実店舗の割引券を入れるなど、集客として活用している事例もある。こうしたことも紹介していく。

〈冷食日報2023年3月23日付〉

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近年の冷凍食品をめぐる情勢は、共働き世帯の増加や家族構成の変化、また飲食店や量販店の惣菜売場の多様化によって需要が増加しています。一方で、家庭用冷凍食品の大幅値引セールの常態化はもとより、原料の安定的調達や商品の安全管理、環境問題への対応など課題は少なくありません。冷食日報ではこうした業界をめぐるメーカー、卸、そして量販店、外食・中食といった冷凍食品ユーザーの毎日の動きを分かりやすくお伝えします。

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昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
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