北海道新冠町に「日高食肉流通センター第2カット工場」竣工/エスフーズグループ・日高食肉センター
エスフーズグループの日高食肉センター(北海道新冠郡新冠町、出田純治社長)は、北海道新冠町で建設を進めていた「日高食肉流通センター第2カット工場」(新冠町字西泊津77-5)をこのほど完成し、4月18日に竣工式と内覧会を開催した。
2015年5月に稼働を開始した「日高食肉流通センター」は、ブランド豚肉「ゆめの大地」など道内各地で育った肉豚のと畜・加工処理を行っている。国際衛生規格FSSC22000を取得しており、シンガポール、タイ、ベトナム、香港の4カ国・地域への輸出認可も取得している。
センター内のと場は1日あたり1,500頭、カット場は700頭の処理能力を有する。今回、生産能力の拡大を目的に、同センター横に第2カット工場の増設を進めていた。第2カット工場の処理頭数は1日あたり800頭で、既存施設と合わせて1,500頭の処理・加工が可能となる。ゴールデンウイーク明けの稼働を予定している。
第2カット工場では、衛生面と作業効率面を強化している。枝肉の自動搬送システムを導入しており、人の手を介さないで豚の枝肉を搬送することができる。タッチパネルで設定を行うことで発送先に合わせた搬送が可能となり、天井高4.5mにすることで跳ね水による汚染の可能性を低減している。
また、カットラインはウデ、モモ、ロース・バラの部位ごとに3ラインに分けており、ライン上のベルトコンベアは2階建てにしている。上段で製品となる部分肉を搬送し、下段では骨や脂などの廃棄物を搬送。作業者周辺の廃棄物をなくすことで異物混入を防止している。
部分肉の袋詰め工程では、国内で2台目の導入となる自動袋詰めロボットを設置。ラインに部分肉をセットすると自動でサイズを読み取り、ロボットが部分肉の袋詰めを行う。また、副産物は専用レーンで専用処理スペースに搬送して加工を行う。
出田社長は竣工式の中で、「今回、国の輸出拡大事業の支援もあって新しくカット工場を増設することができた。第2カット工場では、日本の技術をしっかりと海外にアピールすることを目的としている。丁寧な脱骨や成型をしっかりと行い、包装工程にロボットを導入することで、より安全で安心な北海道の豚肉を世界中の方に食べていただきたい」とあいさつした。
〈畜産日報2023年4月21日付〉