大丸松坂屋百貨店 冷凍グルメのサブスク「ラクリッチ」開始、「RISTORANTEHONDA」「西洋銀座」など25ブランド参加
大丸松坂屋百貨店は5月16日、冷凍グルメ宅配のサブスクリプション(定期購入)型のサービス「ラクリッチ」を開始した。
有名飲食店の料理を届けるサービスで、商品の中身は一部だけ公開し、残りは届いたときに判明するため、新たな料理との出会いを楽しめる。商品は大丸松坂屋百貨店のバイヤーが選定し、「RISTORANTEHONDA」や「西洋銀座」、「日本料理 鈴なり」など25ブランドが参加する。まずはサービス3年目に売上50億円以上を目指し、将来的には海外展開なども視野に入れている。
大丸松坂屋百貨店では新たな顧客接点の創出のため、デジタルを活用した新規事業として、2021年からサブスクビジネスに取り組んでいる。これまでにファッションとコスメでそれぞれサブスクサービスを立ち上げ、第3弾となる今回は冷凍グルメのサブスクを開始する。新サービス「ラクリッチ」のブランドコンセプトは、「“おまかせ”でおいしい出会いを。」。同社のバイヤーが選定した商品を月替わりで届ける。
サブスクとして提供する理由は、選択肢が多くて選ぶのが面倒、予期せぬ形での新たなものとの出会いを求める声などがあったためだ。冷凍食品の利便性やロス削減につながるなどのメリットも活かして提案を進める。
定期便のコースは、6~8品を届ける「ちょいリッチBOX」(6500円。以下、すべて税・送料込み)、7~10品を届ける「しっかリッチBOX」(9000円)、名店の料理を中心に7~10品を届ける「すごリッチBOX」(1万2000円)の3つを用意する。コースはいつでも変更できる。いずれもメニューの約半数は公開されるが、残りは情報の一部だけを開示し、毎月届く料理との出会いを楽しめるようにした。
先行モニターの中で、冷凍グルメの利用頻度が低い利用者からは「プロの味を堪能できる」「冷凍=手抜きみたいなイメージを払拭(ふっしょく)してくれた」などの声があり、高い満足度を得られたようだ。
今後はサービスの認知拡大のためにSNSなどでアピールするほか、メールマガジンの会員に向けた情報発信などを進める。初年度の目標は会員数3,000人で、2025年には売上高50億円以上を目指す。将来的には商品強化や販路の拡大も進めると同時に、オリジナル商品の開発を強化し、他の高級スーパーへの卸売りや、海外展開も検討しているという。
サービス開始に先駆けて5月15日には発表会が行われた。澤田太郎社長は「コロナ禍以前の来店者とのタッチポイントは店頭だけだった。コロナを契機にオンライン上での接点づくりに力を注いでおり、サブスクサービスは今回で第3弾」「我々のサービスは生活がより豊かに感じられるような提案だ。そうした所で存在感を発揮していく」と語った。
〈冷食日報2023年5月16日付〉